上方修正&連続増配計画:バイク王の今を読む

2022年9月1日 15:57

 バイク王&カンパニー(東証スタンダード、以下バイク王)。中古バイクの買取最大手、小売兼用の店舗を全国に64店展開。

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 四輪市場については自工会の発表が毎月メディアを介して報道されるが、二輪市場動向に関しては目にしたことがない。バイク市場はどんな状況か、と興味を抱いたキッカケはバイク王が前11月期に続き今期も増配計画と知ったからだ。

 バイク王のIR担当者も言うように「アウトドアブーム」や、自転車需要同様に「コロナ禍が追い風になっている」。だがそれだけではバイク王の収益好調は、語り切れない様である。

 自工会の資料(2020年3月末時点)によると、国内のバイク保有台数は約1034万台と前年同期比1.8%減。しかしバイク王が買取の対象とする高市場価値車輌(原付二種以上)は約549万台と、1.1%増。ちなみに2021年実績での新車出荷台数は約38万台(15.3%増)、高市場価値車輌は約25万台(21.9%増)。一口に言えば、バイク王の収益を支える環境は「足元」「この先」もまずまずという状況のようだ。そのことは足元の収益状況、中計にも読み取れる。

 前21年11月期は「18.9%増収、120.3%営業増益、106.3%最終増益、8円増配15.5円配」。対して今期も「3.5%増収、12.3%営業増益、6.0%最終増益、4.5円増配20円配」で立ち上がり、6月29日の段階で「13%増収(300億5700万円)、13.7%営業増益(17億7200万円)、32.0%最終増益(16億1800万円)」に上方修正。

 バイク王では「通常は需要低迷期の第1四半期の堅調、4月以降のオンシーズンに向けた高市場価値車輌の中でもより需要が高い車輌の確保」を、その理由とした。

 いまバイク王は、積極的な業態拡幅と取り組んでいる。これまでのビジネスモデルの主軸は、「出張買取査定で顧客から仕入れたバイクを、オークションを介して売却」。だがそれを「オークションを介した売却に加え、自社店舗で販売するリテールを展開する」という枠組みを拡充しようとしている。

 そのために今期も6月までに店舗の新規出店(4店舗)、移転・増床(2店舗)を開設。加えて子会社(ライフ&カンパニー)を設立し、中古車の買取・販売を手掛ける業者とFC契約を結ぶ、という施策も始めている。

 「現在のオークション売却8万台・店頭小売売却2万台体制をそれぞれ底上げすることが、至24年11月期に向けた売上高315億円、経常利益25億円という着実な成長のカギにもなる」(IR担当者)とする。

 株式投資の対象とするなら、時価1200円前半を欲張らず押し目待ちで1.3%近い予想税引き後配当利回り取りの構えで、IFIS目標平均株価1650円をじっくり待つのも一法か。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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