2014年に太陽系外から飛来した隕石、ハーバード大らが回収計画を模索
2022年8月11日 15:57
近年まで、太陽系外から飛来したことが正式に確認された天体は、2017年のオウムアムアと2018年のボリソフ彗星の2つだけだった。
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一方、2014年にパプア・ニューギニア沖に落下した隕石(CENOS 2014-01-08)についても、太陽系外から飛来したと複数の科学者が主張していたが、その信憑性については疑問符がつけられていた。その理由は、隕石軌道を求めるために用いられたデータが、米国国防省が所有するスパイ衛星によるもので、秘密性が高く、科学者らの主張の正当性を第三者が検証することが困難だったためだ。
だが2022年4月、米国国防総省が「NASAに報告された速度推定値は星間軌道を示すのに十分正確である」ことを確認。この物体に関して、最初に検出された星間物体および、最初に検出された星間流星との判断を下したことにより、状況は一変した。
これに勢いを得たハーバード大学らによる研究チームは、「CENOS 2014-01-08」の詳細データとともに破片の回収計画も併せて公表した。CENOS 2014-01-08の破片については、10km四方の範囲を特定して探索すれば、回収できる可能性があるという。しかもこの破片は、磁気を帯びている可能性が高く、磁石を用いて回収できるかもしれない。
この探索計画を主導するハーバード大学アヴィ・ローブ教授は、オウムアムア、ボリソフ彗星、CENOS 2014-01-08が自然由来のものではなく、人工物である可能性についてかつて言及しているが、オウムアムアやボリソフ彗星は回収が困難でその真偽を確かめようがない。だがCENOS 2014-01-08の破片は十分に回収できる可能性がある。
ただ、エイリアンの創造物である可能性については多くの科学者が否定的な見解を示しており、現時点では現実的ではない。一方で破片を回収して分析した結果、未知の知的生命体からの大切なメッセージが秘められていたという、SF映画のような展開が開ける可能性もあるかもしれない。それをきっかけに、人類の科学やテクノロジーが飛躍的に進歩する可能性もあるだろう。この取り組みについては今後の進展に期待したい。(記事:cedar3・記事一覧を見る)