鎌倉新書の収益回復&企業努力を、株価は反映してもよいと思うが!?
2022年7月19日 09:51
鎌倉新書(東証プライム)の収益動向は「コロナ禍」で出現した、「家族葬」に象徴される「葬儀の在り様の変化」を反映したと言える。
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営業利益でみると2018年1月期:4億500万円が19年1月期:7億4400万円、20年1月期:8億円と堅調に推移。が、コロナ禍に見舞われた21年1月期には2億6500万円と、激減した。しかし22年1月期には5億3200万円に回復し、今期も6億4000万円と回復基調計画。
鎌倉新書は、葬儀・仏壇・墓など終活関連のポータルサイトを展開している。「家族葬」時代への移行は、マイナス要因。では何故、回復基調入りに転じることが出来たのか。一口に言えば「商機拡充策」が功を奏したと、捉えることが出来る。大々的な葬儀であれ家族葬であれ、遺族が真に手を煩わされるのは葬儀後。死亡届の提出に始まり多岐に亘る煩雑な手続き等を余儀なくされる。
同社は、ここに着眼した。「おくやみハンドブック」「エンディングノート」といった「約40年間に培ってきた終活・供養・葬儀後対応を活かした」(広報担当)ガイドを作成し、自治体と提携(5月25日時点、134自治体)し「超高齢化社会で安心して住み続けられる地域づくりのサポート」(同)を21年3月に開始した。
ガイドの作成は鎌倉新書が担う(自治体のコストはゼロ)。が、コールセンターに象徴的に「相談・問い合わせ」の枠組みが敷かれている。ポータルサイトの拡充である。
そして6月28日には、『鎌倉新書、同社初の「終活に係る包括提携に関する協定」を千葉県八千代市と提携』と題するニュースリリースが配信された。
八千代市の総人口に占める約25%が65歳以上。75歳以上の後期高齢者も、年々増加傾向にあるという。八千代市もそうした状況に諸々の対応策を執ってきた。22年1月に鎌倉新書の「エンディングノート」を導入し、配賦を開始。想像を超える反響があったことから、今後ますますの協力体制を構築するため、包括提携協定を結んだというのだ。
具体的には、「八千代市民に向けた終活セミナーの開催・情報提供を介した啓蒙活動」「市役所職員への研修・情報提供による啓蒙活動」「終活専用ダイヤルの設置」などが実施されるという。
一歩踏み込んだ自治体との提携の開始、というわけだ。
冒頭に記した収益の回復基調。また自治体との終活に関する提携、更には踏み込んだ包括提携の開始。
そろそろ株価も、そうした流れを反映させて良いのではないか。修正値ベースでみると上場(15年12月)初値175.4円に対し19年の終値1724円。が、20年・21年の終値は1143円、609円と下落。時価は500円台半ば・・・さて如何か。(記事:千葉明・記事一覧を見る)