デクセリアルズ「健康経営優良法人2022」認定の理由

2022年4月2日 09:26

 2月17日の企業・産業欄に、『創業100年 江崎グリコが取り組む社是「健康」経営の中身』と題する記事を投稿した。江崎グリコの健康経営の具体的内容を綴った原稿である。

【こちらも】創業100年、江崎グリコが取り組む社是「健康」経営の中身

 健康経営は、時代が求めている大きなテーマ。

 3月10日。異方性導電膜や光学弾性樹脂などニッチな電子部材・材料(スマートフォン・自動車領域など向けに機能性材料)で強みのデクセリアルズ(東証1部、旧ソニーケミカルが再上場)から、『健康経営優良法人2022(大規模法人部門)に認定』というニュースリリースが届いた。

 健康経営優良法人認定制度。日本健康会議(少子高齢化が急速に進む現状下で、国民一人ひとりの健康寿命の延伸と適正な医療につき、民間組織が連携し行政の全面的支援のもと実効的な活動を行うために組織された活動体)が、「健康優良法人」と認定する制度である。

 リリースを確認した上で、広報担当者に「具体的に評価された活動」を説明して欲しいと連絡した。リリースの内容と説明を合わせると、以下の様な点が評価・認定の背景の様である。

◆「労働時間の適正化」: 管理職に部下の労働時間の管理徹底と並行し、「健康状態に懸念」が感じられる場合は看護職のサポートが受けられるように強く呼びかけている。という事は、看護を受けられる体制が整備されているということだろう。

 また法令に基づく厳格な基準で毎月の超勤時間の抽出を行い、超勤勤務者全員に、産業医との面談を実施している。面談の結果、体調との関連で業務面の調整が必要な際には、人事・職場上長・産業医が三位一体で連携して対応に当たる枠組みが構築されている。

◆「産業医と連携した職場環境の改善」: メンタルヘルスでは面談希望者が随時、産業医との面談体制が執られている。またストレスチェックを実施。結果により高ストレス者面談が行われ、本人の希望に応じ人事・職場上長・産業医の間で職場の環境改善が実施される。ストレスチェックの結果をもとに集団分析・各部署へ結果のフィールドアップ・改善策の提示が行われている。

◆安全衛生委員会: 社内に設けられた委員会によりセルフケアに役立つ「メンタルヘルスに役立つ資料」の配布や、講演会の実施により「社員自身が自らメンタルヘルスケア」が出来るような状況づくりが展開されている。

 超過勤務(残業)への対応、そしてそれに伴う体調・メンタル面での問題に多面的に対応している取り組みが「認定」に繋がったわけだが「継続は力」を実感した。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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