マナー厳守で煙草を楽しみながら、JTの高配当利回りを楽しむのも一法
2022年3月14日 18:07
日本たばこ産業(東証1部、JT)が2月14日に発表した前12月期決算に、なんとも不思議な思いで接した。不思議な思いは昨年10月29日の第3四半期開示と同時に発表した、通期の上方修正の折にも覚えた。
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一般社団法人:日本たばこ協会が発表している「紙巻たばこ」の販売数量は、この間の世相を顕著に示す通り明らかな減少傾向にある。2000年には3245億本(販売代金4兆1681億円)だったものが2020年には、988億本(2兆4749億円)と率にして約7割(約4割)下落している。
無論、国内の「減」を海外の「増」で補っていることは承知していた。市場調査レポートプロバイダー:レポートオーシャンでは昨年7月に、今後の煙草市場を「アジア太平洋地域の収益貢献度が最も高い」とし、「2027年には1030億ドル/年率平均増加率(CAGR)6.7%」と予想していた。
前記した「不思議な思い」とは、こうだ・・・
上方修正後の通期予想は、「前期比9.0%の増収(2兆2800億円)、1.9%の営業増益(4780億円)、6.4%の最終増益(3300億円)」。海外需要+昨年8月の「Ploom X」(加熱式たばこデバイス:海外たばこ事業を担うJTインターナショナルと、初の共同開発)発売効果、と受け止めた。
だが前期の着地は「11.1%増収(2兆3248億3800万円)、6.4%営業増益(4990億2100万円)、9.0%最終増益(3401億8100万円)」と、上方修正値をさらに上回るものだった。
私は依然、頑なに煙草を吸っている。昨年10月に「肋骨8本骨折+折れた肋骨による肺の損傷」と痛く苦しい思いをした。退院後に入院時の主治医から紹介された近場の医者に、「たばこを止めると約束すれば定期的に診療する」と言い渡されたが通院を辞めた。皮肉者の誹りは覚悟だが、「1日20本のたばこと夜の焼酎の水割りは、なくてはならない癒し」だからだ。
あくまで、たばこは嗜好品。手元のたばこのパッケージに刷り込まれている「喫煙は、あなたが肺気腫など慢性閉塞性肺疾患(COPD)になり、呼吸困難になる危険性を高めます」は、暗唱できるまで頭に入っている。ことに及んでも最終的責任は自らとる。勿論、受動喫煙の問題は重々承知している。従い外出時は、定められた場所でしか吸わない。
嗜好品だが自ら、周囲の人々への配慮をわきまえたマナーは守っている。それが、どうだ。「ウィンストン」「キャメル」「メビウス」などを「国際ブランド」と銘打ち、海外販売量を4%余り増やしている。明らかな矛盾ではないか。不思議な思いは、払拭しえない。
ちなみに今期計画も「7.0%営業増益、5.2%の最終増益」。本稿作成中の時価は2000円トビ台。予想税引き後配当利回りは5.68%強、大株主(財務大臣)にばかり享受させることもあるまい。IFIS目標平均株価2526円。煙草を吸いながら時価拾いで6%近い配当利回りを楽しみつつ2500円水準を待ってみようか・・・とも瞬間思った次第でもある。(記事:千葉明・記事一覧を見る)