一般医薬品が薬局に登場する、3つの登山道

2022年1月11日 08:14

 コロナウイルスワクチンや治療薬に限らず、医療用医薬品については「治験」結果に伴う「データ」の提出が厚労省の認可申請には不可欠。治験も何層ものフェイズを経なくてはならない。

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 コロナ関連のワクチン・治療薬や認知症治療薬等々に関する情報に接しているうちに、フッと思った。一般医薬品はどういう手順を経て薬屋に登場してくるのか?と。

 風邪薬を例にすると、現状は概ね2通りの道を経て世の中に出てくる。

 (I)含む基準成分をこの量まで入れて良い、というルールが定められている。それに沿って製薬会社は「配合」をして、データを表記し各都道府県に承認を申請する。

 (II)基準外だが、「一般医薬品に配合をして良い」と認められた成分を配合した商品の場合は厚労省に申請する。

 大衆薬を主体としたある製薬会社では、「いずれにしても一般医薬品に配合して良いと認められた成分、量の範囲内で承認申請をすることになるので、いわゆる治験のようなものはしない。申請から承認までは、長いケースでも1年程度」と教えてくれた。

 だが実は、上記に当てはまらない一般医薬品もある。

 そもそもこの原稿を書くキッカケは、大手週刊誌の表4(裏面)に載っていた「リアップ」という発毛促進剤を目にしたことだった。壮年性脱毛症(思春期以降に起こる薄毛症状。徐々にその範囲が拡大する)治療薬だ。「毛が生える、楽しみ」と謳われた商品の発売元は、大正製薬。「I or IIの段階を経た発毛促進剤か」と問うた。こんな説明が返ってきた。

 『ダイレクトOTCと呼ばれる。一般医薬品に認可されていない成分、つまり医療用医薬品の成分や日本では許可されていない成分を使って一般用医薬品として発売したいと考え、商品の申請を行おうとなった場合、有効性や安全性を示したデータを添えて厚労省に申請することになる。おおよそ5年から10年の時間と研究開発費用がかかる。

 果たして製薬市場のスピード感についていけるのか、という課題を背負うことになる。こうしたハードルを越えるに値する薬剤と認識しえない限り、製薬企業は開発に乗り出さない。1999年に最初の商品を世に問うたリアップは、そんなダイレクトOTC』

 なにやらリアップの宣伝の片棒を担ぐ結果になってしまった感も強いが・・・、実際にどんな(治験)データが添えられているのか・・・を最新製品「リアップX5プラスネオ(ミノキシジル5%を成分とした点がポイント)」を例に提示してもらった。

◆医師の評価: 使用52週の4週間ごとの効果の推移。
◆被験者自身による、使用52週の4週間ごとの印象(実感)。
◆毛髪数に変化はあったか?: 24週までの4週間ごとの被験者の1cmの総毛数の変化。
◆毛髪の太さ: 24週までの4週間ごとの被験者の1cm当たりの変化の推移。

 確かに医療用医薬品と同様の「治験」と言える。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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