ITフリーランスのマッチング企業:ギークスの実態
2021年12月30日 17:09
「DX化推進の流れ」などが背景にあるのだろうか。取材で回る企業で「求める人材」の話題になると、判で押したように「IT系人材」と耳にする。
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経産省では、「2030年時点で最大79万人のIT系人材が不足する」と発信している。独立行政法人:情報処理推進機構社会基盤センターでも「30年で最大約79万人/中位シナリオで約45万人/低位シナリオで約16万人」の不足を推計している。
だが前記の「求める人材=IT系人材」とする企業の多くが、「IT人材は相応に高い人件費を覚悟しなくてはならないから・・・」と語尾を濁らせるのも事実。そんな現実を映し出すように、ギークスの様な企業が登場している。
上場は2019年3月。直接東証1部に籍を置いた。「期待度」は上場後の株価動向にも反映されている。初値1450円に対し1対2分割を経て時価は1900円台半ば。
収益動向は前3月期の「3.3%減収、7.9%営業増益、10円配開始」に対し今期は、「45.9%増収、35.4%営業増益」と伸長計画で立ち上がった。そして11月11日の中間期開示(前年同期比98.2%増収、138.2%営業増益)と同時に、「57.5%の増収(54億円)、62.5%の営業増益(12億円)」へ「IT人材事業の想定を上回る需要、ゲーム事業の伸び」を理由に上方修正した。
中間期を例にギークスの事業を確認すると、こんな具合。
★IT人材事業: 需要に応じた直接派遣もさることながら、長引くコロナ禍でリモートワークが定着。登録済みのITフリーランサーの8割以上がリモートワークを選択。首都圏の需要と地方拠点のマッチングが増加。(4-9月の)売上高は前年同期比22.7%増の8億6099万円、営業利益18.9%増の4億7539万円。事業効率の高さを示している。
★ゲーム事業: バンダイナムコオンラインが配信する4本のタイトル運営と、4本の新規タイトルを開発。247.5%増収の15億9810万円、912.6%増益の3億8176万円。
25年3月期を最終年度とする中計が始まっているが「売上高100億円(今期計画比85%増)、営業利益25億円(2.08倍)」の数値計画を掲げ、「技術リソースシェアリングプラットフォームで国内NO1」を謳っている。
事業領域(派遣先企業)の拡充に備えITフリーランスに、AI技術の学習支援に力を注ぐとしている。
フリーランスが働き方の1つとして裾野を広げるいま、IT技術に軸足を置いたフリーランスマッチング事業は興味深い。(記事:千葉明・記事一覧を見る)