第1四半期終了早々に「通期回復計画」を発した、東祥を読む

2021年10月26日 08:09

 東祥(東証1部)。スポーツジム運営を主体にホテル業・賃貸マンション業を展開。2020年3月期の「26.5%増収、35.1%営業増益」まで10期連続増収、10期平均営業増益率15.3%。そんな東祥も前期はコロナウイルス禍に、「48.9%の減収、88.8%の営業減益」と大きく沈んだ。今期に関しても「現状では合理的な算出が不可能。可能になった段階で速やかに・・・」と計画通期未定でスタートした。

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 だが第1四半期開示と同時に早々に、「16.3%増収(205億円)、85.2%営業増益(20億円)、2円増配4円配」とした。その理由を、「前期第3四半期以降の状況からワクチン接種が進んでいるという予測を基に・・・」とした。単なる予測でないことは、第1四半期の「前年同期比62.7%の増収(47億5700万円:前年29億2300万円)、営業利益3億800万円(前年同期7400万円損失)」の実績からも読み取れるが、東祥側は4-6月期をこう説明した。

■スポーツクラブ(ホリデイスポーツクラブ)事業: 9店舗が一時休業(前年同期全97店舗一時休業)となったが、売上高は前年同期比71.8%増の29億5000万円と回復傾向を示した。

■ホテル事業(ABホテル): 訪日外国人客の低迷の継続など厳しい環境も、宿泊ニーズの高い地方立地の稼働や客室単価の調整が功を奏し、既存27店舗の平均宿泊稼働率は88.3%(31.8P増)まで回復し売上高は13億9500万円(66.1%増)となった。

■不動産事業(賃貸マンションA・City&ロイヤルマンション/57棟2301室): マンション毎の立地や入居率を考慮し、入居費用減額プランやペット可などの入居プランの採用に加え、前期入居開始の4棟・235室の増収効果で入居率が上昇。売上高4億1000万円(12.3%増)となった。

 確かにこの限りではコロナウイルス「禍」の影響が薄れてきていることは読み取れる。が、発表された通期計画も20年3月期に比べ、売上高で59.5%/営業利益で21%水準にとどまる。

 緊急事態宣言・まん延防止重点措置地域は全面解除となり、行動措置制限も段階的に緩和されている。それに準じて収益の上乗せが実現すれば、少なくても東祥の利益回復は加速化しよう。

 株価動向はどうか。本校作成中の時価は1800円台半ば水準。通期計画を評価しつつも年初来高値から15%方下値。「もう少し様子を見たい」とも受け止められる。株価も思いは同じということか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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