決戦は水曜日! 日経平均株価の命運を分ける総裁選の日程 前編
2021年9月29日 07:46
2021年9月29日(水)、いよいよフルスペックでの自民党総裁選が行われる。菅首相の退陣表明、総裁選不出馬より日経平均は「噂で買われ」、コロナバブルで溢れかえった資産が海外からも流入している。はたして総裁選後に「事実で売れ」となるのか、その日程と各候補者の金融政策について確認していきたい。
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総裁選は382人の議員票と、4候補(河野太郎行政改革担当相・岸田文雄前政調会長・高市早苗前総務相・野田聖子幹事長代行)が得た党員票を得票率に応じ比例配分する382票の計764票で争う。
各社の報道によると、現在の情勢は河野氏が280票ほど、岸田氏が230票ほど、高市氏が150票ほど、野田氏が50票ほどを得票すると予想されている。残りの約50票が態度不明であるが、この票の全てを河野氏が得たとしても過半数である383票には届かず、上位2名の決選投票となる見通しだ。
決選投票は「河野氏と岸田氏」、もしくは「河野氏と高市氏」となるわけだが、態度不明票の全てを高市氏が得たとしても岸田氏には届かないため、実質的には「河野氏と岸田氏」による決選投票というのが、大方の予想となっている。
決選投票では、安倍前首相が高市氏を推していたという事実からも、高市氏の票が岸田氏に乗り、河野氏を逆転するという算段のようであるが、現幹事長代行である野田氏の票と態度不明票を河野氏が上乗せすれば岸田氏と同じ380票となり、僅差の勝負となる可能性が高い。
とはいえども、予想はそこまで当てにならない。なぜなら、議員の投票は無記名投票であるため、一定の態度を示していたとしても、投票直前で投票先を変えることもできるからだ。たとえば、派閥政治や長老政治に嫌気がさした若手議員が、忖度で態度を表明しながらも「こっそりと」意中の候補へ投票することも可能だ。だからこそ、今回は最期まで分からない戦いになる。
さて、肝心の日程であるが、29日「13時」から東京都内のホテルで開始される。自民所属の国会議員が順次投票し、28日に締め切った党員・党友票と合わせて即日開票されるため、「14時20分ごろ」には第一報が出るだろう。
ここで、過半数に達した候補者がいなければ、上位2名の決選投票が続けて行われ、「15時40分ごろ」には新しい自民党総裁が選出されていることになる。結果については、各メディアで報じられるだろうが、肝心なのは株価の動きであろう。
もちろん、総裁となった候補者によって、すでに金融政策が示されているわけであるが、その内容は、まさに天地の差だ。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)