DX (上) DXへの私の認識
2021年9月28日 08:01
DX(デジタルトランスフォーメーション)の2文字が、日々メディアを飛び交っている。広がり始めた当初、私は不可解なこの2文字の使い方を知ろうと調べた。
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2004年にスゥエーデン・ウメオ大学のエリオック・ストルターマン教授が論文中で提唱したもので、「ITの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に導く」という風に定義されるという。が、後期高齢者医療保険の対象まで3年を切った身にとっては記事等を読んでも、「なんとなく分かる」という域に止まっていた。
ようやく呑み込めたのは東証が「DX銘柄2020」を発表、グランプリに小松製作所とトラスコ中山が決った時だった。両社に「DX企業として評価されたが、何がその対象になったのかを教えて欲しい」と聞いて以来である。
トラスコ中山からは、こう教えてもらった。「当社は機械工具の卸業。『自動化できる仕事は、システムで全て自動化!』というコンセプトのもと、業務の自動化のために様々な取り組みを行った。例えば、不可欠な見積業務の自動化。AIと高度の分析処理により、最適な価格を瞬時に計算できる自動化を実現した。また商品在庫の管理も重要な業務。これまでの販売実績などのデータをもとに個々の商品の需要予測を行うことで、商品在庫の自動化で業務の生産性向上や精度向上につなげた。このあたりが評価されたと認識している」
小松製作所は、「『コムトラックス』と称する、インターネット上で建設機械を一括管理し稼働状況を確認するための仕組みが(グランプリ選定の)対象になった。機械の稼働情報や警告情報を収集し、稼働やメンテナンス管理をサポートするシステム。これを活かすことで、市場の先行きを見通すための判断材料となる情報を得ることも可能になった」と話してくれた。
五里霧中だったDXに関し、「雲間」から薄日が差してきた。そして「下」に印すような記事がなんとか書けるようになったのは、今どきの若い記者からのこんなアドバイスというか説明だった。
「千葉さんもUberは知っていますよね」―「うん、デリバリーサービスの大手だろう」―「いえ、それはウーバーイーツ。私が言っているのは本家本元のUberです。アプリを使ってタクシーの配車を注文し、行きたい場所を指定する。あとはUberに登録している車が到着するのを待つだけ。運転手との金銭(料金)の遣り取りもなし。この枠組みはスマフォを軸にしたデジタル技術があって初めて成り立っているわけで、人々の生活をより良いというか便利にしているでしょう」。
確かに、DXは良い!
「下」ではDX関連で伸長中の企業について記す。(記事:千葉明・記事一覧を見る)