飲食チェーン:物語コーポの今期87.7%営業増益に期待を寄せる理由

2021年9月7日 16:36

 新型コロナウイルス禍は改めるまでもなく、飲食業に甚大な被害をもたらした(している)。私がウォッチし続けている物語コーポレーションも、例外ではなかった。同社は愛知県を地盤に「焼肉きんぐ」や「丸源ラーメン」などを主軸として、独自ブランドの飲食店チェーンを展開している。前6月期末時点の総店舗数は584(直営340+FC229+海外15)。

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 順調な収益動向がウォッチのそもそものきっかけだったが、私がこの世に登場した1949年に第1号店となる「おでん割烹」を開設している点にも惹かれた。常に時流に前向きに反応してきた。

 その具体例として2018年12月26日の企業・産業欄に『外国人就労者が「店長」になっている物語コーポレーションに学べ』という見出しで、「少子高齢化⇒生産年齢人口の減少に対し、同一労働・同一賃金のもと外国人労働力の確保は不可欠。物語コーポレーションという飲食チェーンを展開する企業は07年時点で既に、アジアを中心とした海外の労働力の採用を始めた。10年余が経ったいま、店長も生まれている」といった内容の記事を掲載した。

 そんな物語コーポレーションの前期は「10.4%の増収、15.2%の営業減益」。コロナウイルス禍/緊急事態宣言発出に伴う、時短営業要請による期初計画から落ち込んだ売り上げ減の結果だった。だが対して今期は、中間期時点までの厳しさは収益予想に映し出しながらも通期では「21.8%の増収(780億3700万円)、87.7%の営業増益(47億9800万円)」計画。

 下半期にはコロナ禍の影響が逓減する、という見方なのか・・・。物語コーポレーションでは「厳しさは続こう。だがそうした状況下でも主力ブランドを中心に店舗展開は継続する。また店舗のリニューアルとも積極的に取り組んでいく」とし、具体的には「焼肉きんぐ24店舗(FC5)、丸源ラーメン24店舗(同7)の新設」を明らかにしている。

 厳しさは確かに残ろう。今期入り直後の7月の既存店売上高は前年同月比92.2%、全店ベースでも99.7%。「贔屓の引き倒し」と揶揄されるかもしれないが、この間のウォッチの結果として「信じるに値する企業」という思いが、脳裏にドンと鎮座していることも事実。

 口ほどにモノ言う株価はどんな姿勢を示しているか。本校作成中の時価は6000円出入り水準。年初来安値5330円(1月18日)から同高値8100円(7月6日)まで水準を切り返した後の、調整局面。IFIS目標平均株価は8200円と高値更新を示唆している・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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