オフィス版「ランチ自販機」を展開する、OKANとは
2021年8月4日 15:56
7月17日の読売新聞オンラインが『ギョーザやラーメン・コーヒー豆・・・コロナ禍の飲食店自販機反響「想定の2倍近い売り上げ」』の見出しで、「東海地方の飲食業界が、自社の商品などを取り扱う自販機を設置する動きが広がっている。コロナ禍による外出自粛や時短営業で落ち込んだ需要を取り込む狙いがある・・・」といった内容の記事を配信した。
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昨今、「飲食自販機」を取り上げるメディアに接する機会が多い。
フッと思った。「オフィスビルなどにも飲食自販機を置くケースはあるのだろうか」と。知り合いの「週刊ビル経営」の記者に、「どうなんだ」とぶつけてみた。「ビルに飲食自販機を売り込み、導入実績を積んでいる業者もいる」と返ってきた。そんな業者の代表格?を聞き出して調べてみた。
東京にOKANという企業がある。2014年3月から、置き型社食サービス『オフィスおかん』の展開を開始した。当時、都心のオフィスビルで働く「ランチ難民」が問題化していた。そこに照準を合わせスタート。その後の「働き方改革」「健康経営」の時流も幸いし、現在全国2500拠点以上(テナントビル・工場・病院等)で導入されている。こんな枠組みである。
★導入には専用ボックスと冷蔵庫・電子レンジを備えればOK。
★栄養管理士が監修した旬の食材を使った(和中心の)総菜(1品100円)が毎月20種類以上定期的に配達される。ご飯・パンもあり。総菜の消費期限は30日以上。廃棄ロスが少ない。
★持参した弁当に「+1品」とするのもよし。総菜の組み合わせで(+ご飯)で弁当にするのもよし。持ち帰って電子レンジで「チン」し、夕食とするのにも便利。
★50cm四方の小型冷蔵庫をベースにした自販機タイプもある。開発したアプリ「おかんpay」を活用しスマフォ決済が可能。
OKANのホームページを覗いてみると、東京メトロ・ユチャーム・オートバックスなどなど、名だたる導入企業が並んでいる。
だがOKANにも、コロナ禍は転機となった。昨年4月の緊急事態宣言以降、「社員の出社減から休止・中止する企業が増えた」or「外出への不安や感染防止対策で導入する企業」「社内食堂を廃止しオフィスおかんに切り替える」二極化が進んだ。
OKANは二極化に立ち向かった。昨年5月から「オフィスおかん仕送り便」を始めた。従来オフィスに届けていた1食分の食べきりサイズの総菜を、在宅ワーク中の従業員に配達する仕様を企業に提案したのである。
ちなみにOKANは、有機や特別栽培の農産物など安心食品の宅配を手掛けるオイシックス・ら・大地(東証1部)と業務提携を結んでいる。(記事:千葉明・記事一覧を見る)