5月に今期計画を大幅に上方修正した、鈴木とはどんな会社か
2021年7月9日 08:22
経済の先行きは楽観できない、のが事実。だがこんな企業出会うと、ほっとするのも事実。
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鈴木が5月に今6月期を上方修正した。前期の「5.9%増収、1.2%営業増益」に対し今期は、「コロナウイルス禍の影響が合理的に把握しえない」と計画未発表でスタート。が、第1四半期開示と同時に「6.9%増収、11.8%営業増益」と通期予想を発表。そして5月13日「14.9%の増収(323億2100万円)、63.5%の営業増益(28億3600万円)」に上方修正した。鈴木ではその理由を「スマフォや自動車向け部品が好調に推移。機械器具も堅調な展開となったため」とした。
鈴木の事業内容(セグメント)は、売上高比率の順に記すとこんな具合。
◆部品: 電子機器向け部品(コネクターを中心にスマフォ関連部品)と、やはりコネクター軸の自動車電装向け部品が両輪。前期で総売上高比率約75%。
◆機械器具: 半導体関連装置・車載関連装置中心の各種自動機器と、医療機器。約19.5%。
◆金型: 祖業である。1933年故鈴木和夫氏により、前身の鈴木製作所が設立された(余計なお世話だが、日本の苗字で鈴木は佐藤に次いで第2位)。鉱石ラジオの部品金型の製作が入り口。現在でも電子機器や自動車電装向け金型を主軸に展開されている。約5.5%。
ちなみに四季報夏号の材料欄には【機械器具】の見出しで、「自動車のワイヤ関連装置が国内顧客の自動化需要追い風に拡大機運」と記されている。
さて、そんな鈴木を投資対象の俎上にのせるのはどうか。PEGレシオはのせるべき、を示している。本校は日経平均株価が1000円近い大幅下落となった6月21日の大引け後に記している。鈴木の株価も前週末比19円安(1.89%安)。「PER7.57倍÷EPS予想成長率51.5%」の算出式に当て嵌めるとPEGレシオは約0.15。
正直初めて調べた企業だが、当該株を2012年の初値(988円)で買い10年余保持していると投下原資は3倍強に増幅している。年初来高値1305円(4月12日)に対し同安値はこの日の977円。25%近くまで下落している。全体相場の動向いかんだろうが、常識的には「買い場か」の4文字が頭をよぎる。
機械器具部門の「半導体関連装置」と部品・機械器具の自動車関連装置は周知の通り、いま表裏一体の関係にある。自動車生産が順調に伸びていくためには、半導体生産体制の拡充が不可欠。その意味では、材料株ともいえる。(記事:千葉明・記事一覧を見る)