トリプルブルーの影響と暴騰する仮想通貨の今後 前編

2021年1月11日 09:16

 1月5日に行われたジョージア州の上院決選投票については、自身の不正選挙を訴えるトランプ大統領の介入によって引き起こされた共和党内部の対立が災いし、2議席共に共和党現職が議席を失うこととなった。この結果により、大統領、上院、下院の全てで民主党が多数派となり、ギリギリの議席ではあるが「トリプルブルー」が完成したことになる。

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 近年は反トランプ派も増えていたとはいえ、もともとジョージア州は共和党の支持基盤である。11月当初の選挙では共和党現職がリードしていたことを考えれば、2議席を獲得して上院も掌握できたことは、バイデン次期大統領にとっては予想外の成果になったはずだ。これはトランプ大統領にとって大きな誤算だったといえよう。

 そして、翌1月6日連邦議会に行われた選挙人団投票結果の開票においては、トランプ大統領の支持者の一部が暴徒化して議会を占拠するという、前代未聞の事態となってしまった。トランプ大統領自身も、議会の進行を遅らせる目的や、次期大統領選に向けて「選挙には負けていない」という印象を強める目的としては想定どおりだが、まさかデモ隊が暴力に訴えるとは思っていなかったのかもしれない。

 アメリカの議事堂が攻撃を受けることは約200年ぶりではあるが、何よりも占拠の過程で人の命が奪われたことが問題だ。全世界に晒されたアメリカの醜態は、世界中から非難を集めており、トランプ大統領個人に対しての批判となっている。

 4年後の大統領選再出馬へ向けたシナリオは固められつつあったが、さすがに今回の出来事で共和党内部からの批判も高まっているという。実際に、共和党の支持基盤である州の上院議席を2議席とも失ったという結果からも、支持者への広告塔としてのトランプ大統領に対して、距離を置く議員が増えるかもしれない。

 さて、「トリプルブルー」となったことで、バイデン政権は公約である「法人税増税」や「GAFAへの規制」など、株式市場に対してネガティブな公約であっても取り組みやすい環境が整ったといえる。しかしながら、コロナ禍終息の見通しが立たない限りは、ある程度のバッファを持たせた上での仕掛かりとなるだろう。

 それよりも、株式市場にポジティブである財政出動の追加に取り組み、今後の経済成長を最優先させると予想されることから「株高」、財政出動に伴う赤字国債の大量発行により債券価格の下落、つまりは金利の上昇によって「ドル高」がもたらされ、インフレ率を押し上げるというのが直近の見通しだ。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る

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