マッチングサイトを犯罪の温床としない為に、家事代行仲介のカジーが打った策
2020年12月24日 08:49
今夏のことだった。「ベビーシッターが幼児に猥褻行為」という報道に接した。母親は在宅ワーカー。従来は2人の幼児を保育園に預けて仕事をしていた。だがコロナ禍の影響で、保育園が休園。母親はマッチングサイトを介して男性シッターを雇った。
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その男性シッターが幼児を公園などに連れ出して、あるいは襖一つ隔てた母親が働いている隣室で性的虐待に及んでいたというのである。「とんでもない奴だ」と怒りを覚えた。
だが暫くしてこんな思いを抱くようになった。「マッチングサイトの危険な側面」。出会った助っ人を、どこまで調査できるのか。雇われた先の顧客について、どこまで知ることができるのか。そこが徹底されなくては、犯罪の温床にもなりかねない。
CaSy(カジー)という「家事代行業」で成長中の企業を、企業・産業欄で取り上げたことがある。家事に絡むマッチングサイトを運営している。
利用者・キャスト(代行スタッフ)双方の氏素性は、どこまで担保されているのだろうか。と考え始めた矢先だった。7日に『家事代行のCaSyと本人確認API(注:最新情報習得)のTRUSTDOCK、本人確認業務で提携開始―マッチングプラットフォームでの.性犯罪など背景に、利用者/スタッフの身元確認強化へ~家事代行サービスCaSyにe―KYC / 本人確認API「TRUSTDOCK」を導入~』と題するニュースリリースが配信されてきた。
11月に提携契約を締結、1月にも連携システムの運用を開始する予定だとしている。広報担当者は、こう語っている。
「マッチングプラットフォームサービスでの性犯罪の発生リスクが報じられている。カジーでもかねてリスクについて認識し、利用者・キャスト双方についてサービス時の犯罪行為を予防および早期検知する仕組みを複数実施してきた。本人確認書類の提出義務化と犯罪等のデータベースとの照合はその一環とし今年5月ごろから検討を開始、今回の契約締結に至った」
「TRUSTDOCKが提供している日本で唯一のデジタル身分証明証アプリとe-KYACでは、犯罪収益移転防止法をはじめ携帯電話不正利用防止法、古物営業法、労働者派遣法、出会い系サイト規制法、民泊新法などの各法律に準拠したKYCをAPI組み込みのみで実現できる」
「サービス事業者は本人確認用の管理画面の開発や、オペレーターの採用・教育、24時間体制でのシフト管理を行うことなく、低コストで本人確認が可能」
例えて言えば、要は「利用客・キャストのいずれかが暴力団といったケースを回避できる」というわけだ。(記事:千葉明・記事一覧を見る)