詐欺を見抜くAIは存在するのか (2) 3つの「騙されない」コツを忠告
2020年12月12日 17:36
今回、NTTが提供する特殊詐欺対策アダプタの『1.特殊詐欺』の定義がどのような範囲であるかが明白でないが、かつて「寸借詐欺」と言われたものがどうも「特殊詐欺」の範囲であるようだ。しかし、かつての『2.オウム真理教』のような、全てを取り込まれてしまうような詐欺行為では、世間で問題化せずに潜伏したままの団体もあるであろう。
【前回は】詐欺を見抜くAIは存在するのか (1) NTT「特殊詐欺対策アダプタ」 騙されたい症候群
また、『3.営業行為』においては、契約が欲しいために「ウソ」を行っている営業などは「詐欺」として立件することが難しい。「自動車セールス」においても、結果論詐欺に近いものは「よくある」レベルである。現代社会が抱える「病根」とも感じる問題だ。
これら『3つのレベルの詐欺行為』は、原因は1つであるようにも思う。詐欺師が「言い寄ってきた」時、受ける方が明快に「ダメ」と言えるかがポイントなのだ。AIが、これらを詐欺と認定する要件を分析することは可能なのではないかと感じる。しかし、それをどの様にユーザーに伝え、ユーザーが受け入れるのかについて、非常に興味が湧く。
心理学的に受け入れやすい「トーク」は昔から研究されてきており、多くの接客業が使ってきている。それを「詐欺」とは言わないが、「真心」ではないトークを行っていることに違いはない。
先日、「障害者支援団体の責任者」と話す機会があった。巧みに精神的障害のある人をコントロールしていくのだが、その手法は心理学的に相手を「騙す」話し方であった。結果として、心理学的テクニックを用いて、筆者を意のままに操ろうとしてきたのだが、それは「詐欺師」と同一のテクニックだった。このような時、「目的」が不純であると詐欺となることになる。
そのため、筆者は「真心」を感じることが出来ず、「あなたも精神的障害者ですか?」と失礼な質問をせざるを得なくなった。責任者の都合の良いように周りの人と私をコントロールしようとするので、話を打ち切らざるを得なかった。これが、障害者支援組織の責任者である。「テクニック」で相対する時と、「真心」で接するべき時を判別できない、精神科医を含めた専門家は多いのだ。
自殺者を救うはずの「いのちの電話」でさえ、残念ながら「真心」で話の出来る人は大変少ない。精神科医でも「話を聞いて騙す」結果となる対応しか出来ないのだ。
■3つの「騙されない」コツを忠告として示しておきたい。
1.「他人の話を聞けること」
2.「話の論理的矛盾を見抜けること」
3.「ダメと言えること」
「詐欺」をはねのけるには、自分の自覚が必須だ。人生とは、他人とそこそこ「騙され騙し」生きていくことなのだ。
Ledge.ai『AIが詐欺電話を解析するサービスをNTTが開始、警察の意見も参考に』によると、
❝家庭の固定電話を利用しているユーザー向けに「特殊詐欺対策サービスおよび通話録音機能付き端末(特殊詐欺対策アダプタ)」を提供している。初期費用は工事担当者が工事をする場合が8800円、ユーザー自身で設置する場合は4400円、月額利用料は440円/月(すべて税込)❞となっている。
「果たして役に立つのか?」はユーザーの受け止め方であり、ユーザーの勇気次第であると筆者は考える。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)