売上2位も営業利益・率首位、イエローハットが10期連続増配計画

2020年12月9日 17:01

 4月30日付けの企業・産業欄に、『業界2位イエローハットが営業利益・営業利益率で1位を凌駕している理由』と題する原稿を投稿した。売上高では大きく水を空けられているオートバックスセブン(オートバックス)に対し、営業利益・営業利益率では勝っている「何故」を記した。

 今回再度イエローハットを取り上げようと思ったのは、今3月期で「10期連続増配予定」と知ったからだ。私は銘柄選択の上で1つの基準として「10期を上回る連続増配企業」をメルクマールとしている。

 本論に入る前に、前記の表題を再確認した。前2020年3月期のイエローハットは「消費増税の反動」「暖冬」という環境下でも、「1.3%の増収(1410億3000万円)、5.3%の営業増益(100億4300万円)、9期連続増配」という実績を残した。

 オートバックスに売上高では800億円強の差をつけられながらも、「営業利益では25億円弱」上回り、「営業利益率では3.7%ポイントの差」をつけていた。今3月期計画でも、売上高は820億円弱下回るが「営業利益で27億円、営業利益率では3・7%P」上回っている。オートバックスに何ら意とするところはない。運転免許を返納する前は車検・修理・パーツ購入で利用していた。

 さてイエローハットを投資対象とする場合だが・・・やはり連続増配の魅力は大きい。本校作成時点の予想税引き後配当利回りは2.6%水準。また株主優待券(単元株に対し10枚の当社製品3000円分の割引券)を加味すると、実質利回りは7%を超える。

 では株価パフォーマンスはどうか。仮に18年3月期の初値(17年4月の始値:2581円)で買い、時価水準まで3年半余保有していると、19年3月末の1対2の株式分割効果もあり投下資金は24%方増幅している。「24%か」と言うなかれ、である。超低金利下の今、3年半余で24%増える金融商品は収益力を背景にした株式以外にない。またぞろオートバックスを引き合いに出して恐縮だが、17年4月の始値:1651円に対し時価は300円余下値にある。

 無論、これだけで投資対象として俎上に乗せるか否かは論じられない。今後を占う上で株価を支え・押し上げるような背景が欲しい。斯界に明るいアナリストは以下の様な点を指折り数えた。

★629億円近い内部留保を有し、無借金経営。

★8-9%台のROE(儲け上手)。

★エリア状況を見極めた「四輪向け」「二輪向け」居抜き形式の、効率的店舗展開。

★PB商品展開。冬用タイヤで廉価商品と通常価格製品の開発力。

 投資対象の是非については読者諸氏の判断に委ねるが、連続増配10期(超)には魅力を覚える。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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