車内での換気を「富岳」が示す? (2) カーエアコンの外気導入設定は常識
2020年12月6日 16:45
■カーエアコンの外気導入設定は常識
筆者は、自動車内の換気が問題視されるようになった時、まずしたことは「自分のクルマのエアコンで外気導入」にしたことだ。これはかなり強力で、空気を入れ替えるのならこれほど確実なものはない。だれでも「考えれば分かる」ことだ。
【前回は】車内での換気を「富岳」が示す? (1) 「マスクは効果がない」と言ったのは誰!?
今回、「富岳」によって換気が1度行われる秒数を出していたが、車種により違があってあまり意味はない。1、2分で入れ替わるとの時間の尺度がおおよそ分かれば事足りる。ファンによる外気導入が自動車内の換気について効果が絶大である。大枠では半世紀以上前から車内換気について「カーエアコンの外気導入設定は常識」と言って良いはずだ。
半世紀以上前、カークーラーがオプション設定にもなっていない時代、「三角窓」に替わって「電動ファンによる外気導入」を行い始めたのはトヨタ・コロナマークIIだった。ヒーターに対する空気供給通路を、ヒーターを通さずダッシュボード側に向けただけだが、もともとヒーターのブロアーは外気導入と内気循環を選ぶことが出来た。
■「詳細」と「大枠」、「エビデンス」と「シミュレーション」の関連性の理解
こんな当たり前のシミュレーションを「富岳」にやらせても、「世界のスパコン」である富岳の精度の高さが生きてこない。結論が分かり切っているからだ。また、「この問題でのこの詳細な分析」は、「問題点をあぶり出し、解決策を探る」のに無用なことであるからだ。それでも「富岳」にやらせるのは、「富岳のブランドによる宣伝効果」を狙っており、「感染拡大防止は国民の行動による」としたいからだろう。
富岳には、「社会の中で感染が拡大していくメカニズム解析」を行わせるべきだ。【「詳細」と「大枠」、「エビデンス」と「シミュレーション」を使い分ける「関連性の理解」】が、AIの「ディープラーニング」に相当するデータ分析から、「シミュレーション」に至る部分だ。
感染拡大のメカニズムは「人の往来による必然的な接触である」と認めないため、「経済か?防疫か?」となってしまう。本当は、「感染防止は疫学の知見に沿って検査からデータに基づいて対策する」であり、ロックダウンのような行動規制、それに現在進められている程度の行動規制であっても「経済の死を意味する」との認識が必要だ。GDPが2%マイナスでも長期間続けば経済的破綻がやってくる。
「学問」「法律」「経理」「金融」などに強くても、小学生並みの算数の「関連性」が分からない脳機能の人が1%~25%程度存在すると言われている。これからは、「脳機能」の概念を法律の概念の基礎に据えて「国の制度全体」の中に取り込まないと、国力が持たないと見える。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)