レトロフィット(再生)にAI利用 古い鋳造設備を画像認識でIoT

2020年11月24日 12:17

 鋳造設備を「レトロフィット」、つまり再生できるのだそうだ。「鋳造」の現場は厳しい環境だ。危険も大きい。

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 「鋳造」とは、鉄などを高温で溶かして型に流し込み、成型する工法だ。自動車産業では多くの部品が鋳造で、その精密鋳造部品が世の中で大活躍している。一方「鍛造」は、圧力で成型する。「鍛冶屋」と言えば「鍛造」を思い浮かべる。昔だったら「トンカン」と叩く音が聞こえてきそうだが、現在はプレスで型に押し付けるため強度は鋳造よりもあるが、成分の配合が問題であろう。

 鋳造工場の設備をIoT化することは、特に困難だとは考えないが、古い大型接地設備を更新するのは、いずれの工作機械でも困難が伴う。だから、古い機械を再生できるのであれば、利用すべきなのだ。大型設備であると修理費が資産計上されるため、経費は多少かかるが新型よりは安くなる。

 日経XTECHによれば、栗田産業では、旧設備を更新するのではなく、AIを使い旧設備のメーターなどの画像認識を使って読み取ると言う。パソコン用Webカメラ、小型PCボードの「Raspberry Pi」を使っているため、IoTに必要な新規設備は極限される。AI化で画像認識とすれば、生産管理をデジタル化するのに特別なデジタルセンサーを必要としない。

 なるほど「メーターを読む」となると、人間の替わりに読み取ることとなる。「目からうろこ」とまではいかないが、AIは人間に替わってできることを思い知らされる。すぐにでもリモート管理などに使えるであろうが、問題はそこからであろう。

 解析プログラムは必要となるが、メーターの読みデータがデジタル化していれば、どの様な分析にも使えることとなる。特別なセンサーを用意しなくてもAIの教育が適切であれば、その威力ははかりしれない。人間に替わっての監視業務は他の分野に及んでいるはずで、自動車の自動運転が可能になるぐらいまでAIが進歩すると、そのレベルに達したAIは工場のほとんどの監視業務に対応できるであろう。

 そうやって「鋳造現場」から人間が離れることができる、または現場にいる時間を削減できるとなれば、それだけで歓迎したい。インダストリー4.0との関係を論ずることはできないが、こうした工夫の積み上げが産業革命となるのだ。軽視してはならない。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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