コロナ禍は家事代行業「増勢」の追い風となった!?

2020年11月19日 17:16

 財経新聞の9月11日付企業・産業欄に「家事代行の人気ぶりとその理由」と題する原稿を投稿した。日経が選定するNEXTユニコーンの1社で家事代行業を展開するCaSyの、「家事代行の枠組み」「利用者の声」を取材した内容である。

【こちらも】家事代行業の人気ぶりとその理由

 CaSyから17日、興味深いリリースが届いた。『CaSyは4カ月連続で過去最高の月次サービス件数を更新 当月稼働キャスト(家事代行スタッフ)10月度過去最高を記録 コロナ禍で高まる家事代行熱?その原因を探る』と題するものである。

 まず、実績がこう記されている。

*新型コロナウイルス拡大により発出された「緊急事態宣言時(4月)」に対し10月のサービス件数は174%。

*10月のアクティブキャスト数は、過去最高。

*緊急事態宣言以降、(CaSyの)家事代行利用者数・キャストの稼働件数ともコロナ前を上回る勢いで伸びている。

 そのうえで、何故かに関する仮説を立てている。

★「家事疲れによる需要増」
―根拠の1つは、働いたキャストによる、本部に送信される日報。代行の目的蘭に「リモート」という語句が出てきた回数を2019年以前と20年11月時点を比較すると、約44倍。

 リモートワーク中に代行サービス利用する件数が増加している。そして利用者への任意調査で「リモートワークで自宅にいる間に、家事代行の利用を思い立った」という反応が多かったことや、キャストから「外食もなかなかできない中、利用者の家事疲れを感じた」という報告が多かった。

―もう1つの根拠は(サービスを利用するために必要な登録者数が)7月で、4月に比べ178%となった。
 <<家にいる(STAY HOME)時間が増えたからこそ、伴って家事も増加しており、気分転換の外出もままならないことに疲れを感じている人が増えたのかもしれない>>という仮説に至ったというわけだ。

★「“プチ贅沢”が旅行や外食からイエナカ需要にシフト」
―CaSyは6月に料理代行のお試しプランを3時間から2時間にリニューアルした。奏功。お試しから定期サービスの転換が進んだ。転換組からは、「(出来合いの)総菜ばかりで飽き飽きしていたが、久しぶりに手作り料理が食べられた」「栄養のバランスを考えた食事が食べられた」「自分とは違った味付けに満足」という定性コメントが認められた。

―7月時点で独身ユーザーが前年同月比155%となった。
<<旅行や外食で“プチ贅沢”を楽しんでいた独身者が、イエナカの過ごし方に費用を費やすようになったと考えられる>>

★「家事代行が、コロナの影響を受けた事業者の受け皿に」
―緊急事態宣言後、プロの調理師やシェフなどのキャスト登録が目立った。
<<いわゆるギグワーカーとは違い、飲食店従業員など仕事環境の厳しい人が得意領域での収入補填という手段を求めた>>

 自分の土俵に立った捉え方、の感は否めない。が、妙に頷かされるリリースではあった。 (記事:千葉明・記事一覧を見る

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