すぐお金になるバイトが探せるマッチングサイト「タイミー」誕生理由と仕組み

2020年11月5日 16:48

 タイミー。アルバイトを求める求職側と希望者のマッチングサービスを展開する、NEXTユニコーン企業。創業者の小川嶺氏が専用アプリ(タイミー)を開発、市場開拓に乗り出したのは僅か2年前の2018年。今年秋の段階でアプリのユーザーは150万人を突破している。

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 小川氏は「起業」に執拗に執念を持った御仁。立教大学時代に既にアパレル関連のマッチングサイトを立ち上げている。が、VCやエンジェルの反応は芳しくなかった。断念。黙考しながら、起業に備え両親から借りた資金をまずは返済するためにアルバイトをした。

 そんな中で「今すぐお金が欲しいのに、早々に働くのも簡単でない。登録・面接などに手間暇を執られる」を実感、「すぐ働けて、すぐお金になる枠組みを作りたい」と思い実行したのがタイミーの起業だった。

 時まさに「少子高齢化」の進捗に伴う「人手不足」、という問題が喫緊の課題として問沙汰されていた。「時流」がタイミーにとりフォローの風となったことは間違いない。しかしそれだけでは、急成長は語りきれない。小川代表は、こんなことを口にしている。

 ★「一種の賭けでもあったが・・・」。19年にユーザー層の多くを占めていた20代前半と同年代の人気女優:橋本環奈を起用したTVCMが好評を博した。

 ★「当初は飲食業を、アルバイト先として重点的に開拓していた」。繁閑の波がある一方で、慢性的な人手不足を抱えていた飲食業界はタイミーにとりマッチした業界だった。

 ★「原則、マッチングに介入はしないが・・・」。正直、疑問を感じた。誰でも容易にできる仕事ならミスマッチは生じない。だがそれなりの業務スキルや経験が必要な仕事もあるはず。「案件掲載時のスキル設定、相互評価制度で対応している」とした。

 企業側に案件掲載時にスキル・経験を具体的に記載してもらう。タイミーを介しての勤務後には、ユーザー・企業(店舗)双方に相互評価をしてもらう。溜まった評価はマッチング時に閲覧が可能。マッチング後でもユーザー側に対して不安があれば、店側からのキャンセルも可能。ミスマッチに伴う双方の不都合を未然に防ぐ措置が、執られている。

 収益構造は、マッチングしたユーザーが働いた店舗(企業)からの手数料。ユーザーは、完全無料。導入総店舗数は2万5000件余。詳細はタイミーのHPを覗いていただくとして、セブンイレブン・ファミリーマートのコンビニも導入。職種は飲食業主体に始まり、現在は「物流企業での倉庫作業」「オフィスワーク(データ入力等事務処理、電話対応)」「モニター(調査)」「イベントスタッフ」と拡がりをみせている。

 弱冠23歳の起業家である小川氏は今後に関し、「より幅の広い業種・職種の案件を獲得し、ユーザーに多種多様な職業を手軽に体験してもらえるようなプラットフォームを目指す」と言い切った。そして「上場」についても「上場という明確な目標を設定することで、まずはそこに向かって頑張る。従業員の目標設定にもなっている」と断じた。

 取材の限りでは「起業の対象は身の近くに」とも思えるが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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