トヨタの勢いが止まらない 9月生産台数、プラスに転じる 新車投入の成果か?
2020年11月2日 16:31
ダイハツ、日野を加えたトヨタグループ(軽四輪を含む)は、2020年9月の生産台数が前年同月を上回った。世界生産台数では前年同月比7.6%増の97万3857台、国内は同4.4%増、海外は同10.0%増となっており、国内生産より海外生産の伸びが上回っている。一方、販売台数では、世界で同0.8%減の91万6407台、国内販売では同11.5%減の21万3663台と、まだ前年並みになっていない。
【こちらも】トヨタ、KDDIとの連携強化を図る クルマと通信の融合見据え
しかし、2020年11月から2021年1月にかけて、トヨタは世界生産台数(トヨタ単体)を前年同期(2019年11月~2020年1月)の実績から8%増とする、強気の計画だ。これは9月の実績(トヨタ単体)では、生産(16.3%増)、販売台数(1.9%増)とも前年同月を上回ったことが基礎となっているようだ。その中でも、中国の生産台数が9月は前年同月比48.5%増と好調に推移し、牽引役となっている。欧州でも同19.9%増、北米が同8.3%増と軒並み増産で推移している。
国内生産(日野・ダイハツ、軽四輪も含めたトヨタグループ)は、9月が同4.4%増の40万7127台、トヨタ単体では同4.5%増の30万5628台と、海外に比べれば低調であったことが気になるが、それにしても早い回復だ。売れ筋小型SUVの新型車投入が続いているため、販売刺激となっていることが主因であろう。TNGA効果としては材料の供給も含めてジャスト・イン・タイムとなっていることが、回復の早さにも寄与しているのであろう。
トヨタの生産が海外、国内ともプラスに転じたことは、それだけ世界経済がパンデミックから素早く立ち直っていると言うことになるが、中でも中国の回復が注目される。欧州、北米とも再びロックダウンなどがあり、第2波の到来で懸念が広がっているが、一方で、中国は経済活動にとっては、安心して会話して移動していけることがありがたい。日本も出来る限り早く、市場で人々が安心して自由に活動できる環境を作るべきである。
それにしても、トヨタの強さが目立っている。これからその秘密を検証して、世界各国の企業が取り入れるべきなのであろう。中国は「HVを環境車」として認定したが、現実的な環境政策に乗り出すことで、日本の持つ精密機械加工技術を中国国内に取り入れることを狙っているのであろう。
中国は世界最大の発展する自動車市場であり、無視することはできない。だが、また技術の流失が起きると、自動車産業のみならず防衛問題となる危険も控えている。中国の覇権主義がますます強くなれば、日本もアメリカに替わって、中国の経済的属国となることも、近い将来に現実味を帯びてくる。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)