コロナ禍と葬儀の在り様に関する、よりそうの調査結果 意識変化は?

2020年10月20日 07:39

 7月24日の企業・産業欄に『終活事業を手がける企業も多彩化』というタイトルで、芦沢雅治代表が立ち上げた:よりそうという葬儀を企画・仲介・運営する企業の主に設立の背景を記した。

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 そんなよりそうから10月15日に、《葬儀は少人数化の流れも、約7割が「葬式は省略しない」と回答》と題する調査結果が配信された。「新型コロナウイルス(以下、コロナ)流行前」「コロナが猛威を振るった4月」「9月現在」で、全国の男女724名を対象に質問し変化の結果をまとめたものだという。結果について同社は、以下の4点を分析している。

 (I)「血縁のない方の葬儀に参列」を選ぶ人は、コロナで激減⇒家族・友人/知人・会社の同僚/元同僚など12個の関係を選択肢にあげ「コロナ前・4月・9月、それぞれのタイミングで葬儀に呼ばれたら場合、あなたは参列するか、参列しようと思うか」と質問。「参列する」と答えた割合は全ての関係で4月に下落し、9月になると若干回復する傾向が見られた。血縁の有無に分類し、コロナ前と4月を比較すると「血縁のない人の葬儀に参列する」とした人の割合は23.5ポイント低下。「血縁のある人の葬儀に参列する」とした人の割合の低下は14.3ポイントにとどまった。

 (II)「家族葬」人気は不動、「一日葬」への関心がコロナをきっかけに急増⇒「もしご両親の葬儀をあげるなら、どのような形式を選ぶか」という質問には、「家族葬」がコロナ前・4月・9月の全ての時期で50%以上。かつ通夜は行わず告別式のみ行う「一日葬」の割合が、コロナをキッカケに約1.7倍に増加した。コロナ前後で葬儀形式の希望に変化が生じたかという質問では「もともと小規模な葬儀を、と考えていたので変化なし:46.6%」「感染予防のため致し方なく小規模化:39.5%」「コロナ関連報道を契機に葬儀の規模縮小を知ったため小規模化:15.7%」という結果だった。

 (III)あなたがこれから葬儀をあげる場合、コロナ感染防止に実施すること⇒衛生対策が上位を占めたほか、「参列者は親族まで:58.6%」「参列者は3親等まで:55.7%」「高齢者の参列はご遠慮いただく:51.4%」と、属性によって参加者数を制限することで感染拡大防止を図るという傾向が顕著に見られた。

 (IV)これから葬儀を実施する場合、あなたの考え方に近いもの⇒「コロナ流行下だが、お別れは一度きりなので最少人数で葬儀をあげたい」が66.6%と、「人数を極限まで減らし、通夜・告別式もせず火葬式にしたい(21.5%)」の約3倍/「できるだけ多くの人に葬儀の参列を募りお別れしてもらいたい(4.3%)」の約15倍となった。

 よりそうでは、調査結果を受けてこう発信している。「withコロナと呼ばれる現時点では、安全性に最大限の注意を払った上で、通夜・告別式両方を行う少人数による葬儀形式が求められている」。

 と同時に私が最も興味深く読んだのは「斎場でのクラスター感染報告は全国で2件にとどまっている」とする一文だった。時節柄、斎場側も安全性に目配りを強めているということであろう。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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