本気なのか? カリフォルニア州排ガス2035年規制 (1) 雇用を守れ! 発電を改善せよ!
2020年10月5日 07:07
2020年9月23日、アメリカ・カリフォルニア州のニューサム知事は、2035年をめどに、販売される新車の全てを「ゼロエミッション車(ZEV:Zero-Emission Vehicle)」にすると発表した。常に世界に先駆けて排気ガス規制を進めてきたカルフォルニア州の伝統にしたがったのであろうか?ガソリン車やディーゼル車の新車販売が禁止になるということで、気候変動をもたらす地球温暖化防止に向けた措置であるとしている。
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思いおこせば、1970年に通称マスキー法(Muskie Act)と呼ばれる本格的大気汚染防止法が施行される前に、排気ガス規制のやはり先駆けで、カリフォルニア州では1966年から排出ガス規制を開始。その後も大気汚染防止に熱心に取り組んできた。マスキー法では、排気ガスのCO、HCについて、1975年から製造した車は1970年型を基準にして10分の1にするとし、NOXについては1976年から製造した車は1971年型を基準に10分の1にするとした。
しかしその規制に対し、ゼネラルモーターズ、フォードモーター、クライスラーといった世界の自動車産業界「ビッグ3」、いや当時は世界の企業「ビッグ3」と言ってよい企業がこぞって猛反対。日本のトヨタ、日産も反対していた。
その中で、1971年2月12日、弱小メーカーであったホンダがいち早く、当時社長の故本田宗一郎が1975年規制値をホンダ・シビックCVCCでクリアできると発表した。シビックを1973年発売として、世界の流れを一気に排気ガス規制に向かわせたのだ。それまで規制を「不可能」としてきた大手メーカーは、実は裏で「触媒」の原料調達にしのぎを削っていた。しかしホンダは、「触媒を必要としない」として驚かせた。今でも、本田宗一郎の「ケツ拭きになるな!」と言う名言が残っている。
CVCCは本田宗一郎の発案と言われる副燃焼室のアイディアだったが、現在もスーパーリーンバーン(超希燃焼システム)のホンダ方式として、副燃焼室からの火炎放射の原理を加えて燃焼を早めることが研究されている。
しかし、副燃焼室のアイディアは昔からあるものであった。設計知識のない本田宗一郎は毎朝研究室を訪ね、昨夜自分の考えたアイディアをその辺の板や床に書いて、それを技術者が「午前中図面に起こし、午後は試作をして実験する」の繰り返しであったそうだ。宗一郎は「エンジンの神様」と言われたそうだが、バイクの時代からの経験値であったのであろうか?
やはり、規制には日本人が強いのかもしれない。現在では、水素エンジンで可能性の高いマツダ・ロータリーエンジンに期待が持てる。本当に、純電気自動車(BEV)ブームでよいのであろうか?(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)