スズキ・スイフトスポーツはヨーロッパ車? BMW・ミニよりミニらしい「ゴーカートフィール」
2020年9月21日 21:50
スズキ・スイフトスポーツの特質すべき点は、軽量であること。全長3890mm×全幅1735mm×全高1500mmだが、車両重量が軽い。6速MT970kg、6速AT990kgとなっており、1トンを切る。トヨタ・ヤリスは最軽量タイプの直列3気筒1.5リッターNAエンジンでも1020kg、ホンダ・フィットは直列4気筒1.3リッターが1090kgで1トンを切れない。スイフトスポーツの車両重量は、軽四輪自動車の豪華装備仕様と同じくらいなのだ。
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スイフトスポーツの直列4気筒1.4リッターターボエンジンの動力性能は、最高出力140馬力/5500回転、最大トルク23.4kg-m/2500~3500回転。ターボエンジンとしては無理をしていない数値だ。ということは、チューニングの余地が大きいのであろう。WLTCモード燃費は、6速AT 16.6km/L、6速MT 17.6km/Lとなっており、軽量な割には飛びぬけた数値ではない。それは、最終ギア比が大きく、力強い走りを実現していることになる。パッケージングは、さすがにミニバンやSUVとは比較できないが、十分ファミリーカーとして使える。
その走りについてだが、FFの特性がかなり如実だ。195/45R17のスペックを持つタイヤは、ボディサイズに比較してオーバースペックとも言えず、バタつく様子はない。路面を掴んでいる感触が出ている。乗り味は「固い」と言えるが、乗り心地が悪いとは感じない。むしろ、ヨーロッパの町並みの石畳で鍛えられたミニを思い出す。
一方、BMW・ミニに乗ると、やはり「ゴーカートフィール」を思い出してしまうが、現在は誠に「しとやか」になったものだ。ファミリーカーと言える乗り心地で、FFのクセも期待するほど出ることはない。むしろマイルドで期待外れだ。対してスイフトスポーツは、むしろFFのクセが強く出ている。タックインが明確に出て、コーナー立ち上がりで踏み込むと大きく膨らむ様相を見せる。
しかし、がっちりと地面を掴んだように「足が踏ん張っている」感触が出ている。ヨーロッパの石畳を駆け抜ける姿が目に浮かぶようだ。ワインディングロードではその実力を感じさせるトレース性能を見せる。オーバースピードでコーナーに進入してアクセルを緩めるとタックインを感じ、コーナーの中に食い込んでくる。立ち上がりでアクセルを踏み込むと、大きく膨らもうとする。
スズキ・スイフトスポーツは、ヨーロッパ車のフィーリングを感じさせる小気味よい反応だ。BMW・ミニよりもミニらしいフィーリングが出るクルマだ。街中で小気味よい切れを感じられるハンドリングに仕上がっている。その結果、ファミリーカーとして日常使用し、時折走りを楽しむには絶好のクルマに仕上がっている。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)