中国版スペースシャトル打ち上げ成功 2日後には無事帰還 詳細は公開されず

2020年9月9日 07:56

 再利用可能な宇宙船と言えば真っ先にアメリカのスペースシャトルを思い出す。スペースシャトルは複数の機体を運用しながら100回以上のミッションを成し遂げたが、最後のミッションは2011年であり、すでに人々の記憶から薄れつつあるのも事実である。

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 また最近ではスペースX社のクルードラゴンが人間を乗せて打ち上げと帰還に成功し、機体の再利用も順調にいけば2021年には実現する見通しとなっている。クルードラゴンはそれだけにとどまらず、世界初の民間会社の開発によるものでもあり、宇宙開発はまさに新時代を迎えようとしている。

 再利用可能な宇宙船はアメリカ以外ではロシアでも開発実績があるが、ミッションとしてはほとんど実績を残していない。そんな中、中国新華社通信は9月6日、中国が開発した再利用可能な宇宙船が、打ち上げ成功し無事帰還したと報じた。残念ながらその機体の映像や写真は公開されていないが、9月4日にゴビ砂漠の酒泉衛星発射センターから打ち上げられ、2日後の9月6日には地球に帰還したと報じられている。

 中国のミッションとあって報道に対する情報統制が厳しく、どんな機体が打ち上げられたのかをイメージすることは難しいが、アメリカのX-37Bによく似ているとの情報も流れている。X-37Bは、アメリカ空軍が運用中の再利用可能な無人宇宙船で、ネットでもその画像がたくさん公開されている。

 今回のミッションは有人飛行だったかどうかも明らかにされていないが、近い将来有人飛行にこの技術が採用される見通しであることが表明されており、その意味では中国がアメリカに宇宙開発でキャッチアップしたと言える日が来るのも近いのかもしれない。また中国が有人飛行の分野において、今やロシアと肩を並べる存在になりつつあることは紛れもない事実であろう。さらに言うならば、中国は資本主義国とは違い景気の影響に左右されず、国策としてふんだんに資金投入が可能な点も見逃せない。

 今、現実に繰り広げられているスペースX社と中国との再利用可能な有人宇宙船の開発競争は、昭和に子供時代を過ごした私のような年代層にとっては、1960年代後半に繰り広げられていたアメリカと旧ソ連の有人月面探査競争以来の、ワクワクするような状況となっている。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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