日産・新型フェアレディZ登場 政投銀、日産融資に政府保証1300億円
2020年9月8日 11:36
日産自動車は、9月16日にフェアレディZの新型車をオンラインで公開すると予告した。現行モデルZ34登場から11年も過ぎている。日産・GT-Rの現行モデルが登場したのが2007年12月であるから、これも常識的ではない年月が流れた。この種のシンボリックカーの役割は、企業イメージを向上させる役割が大きい。売れる台数も採算が取れる台数ではなく、「宣伝効果」無くしては造る意味は無い。
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今、日産は正念場を迎えている。業績が低迷している最中、新型コロナウイルス感染拡大のパンデミックに襲われている。リストラを行い、資金手当てに走るしか生き残る手立てが無い。その中で、日本政策投資銀行が5月に日産自動車への1,800億円の融資を決めた。その内、政府保証の付いた額が1,300億円であるそうだ。
日産が返済できなければ政府が保証額の8割まで補填する、つまり税金を投入することになるのだ。ホンダがこのほどGMとの包括的提携に踏み切った背景には、政府から日産との提携の話があったと見られている。つま、りホンダはGMとの関係を大幅に深めて、日産との提携を断ったと解釈できるのだ。
ルノー・日産・三菱の3社アライアンスは、始まりは日産にとって救世主であったが、その後はルノーを引きずる状態となった。フランス・マクロン大統領の強引な政策があり、3社アライアンスが解消できなければ、ホンダを始めトヨタなどとの提携も進まないことが予想される。
そんな中で、日産の業績不振は3社アライアンスの致命傷にもなりかねず、頼みは日本政府がフランス政府と産業政策で綱引きする状態であることだ。つまり、カルロス・ゴーン元会長を失脚に追い込んだ背後に、フランス政府と日本政府がいることが明らかであることだ。日本人としては日本社会に資する日産自動車であってほしいのであり、やはり日本政府の動きを応援するものだ。
その意味で、ホンダが日産を見放してGMと提携したことは、今度の提携内容によっては今後、ホンダがGMと離れられなくなっていくと考えられ、容易には賛成しかねる状況だ。ホンダはグローバル企業を目指していたが、やはり軸足をトヨタのように日本社会においてほしいものだ。好調な2輪部門もあり業績回復は十分可能な企業と考えられるだけに、日本政府やトヨタなどに期待したい。
さて、日産・新型フェアレディZに期待するところなど詳細については、筆者が初代S30のオーナーであったこと、「量産部品で造られたスポーツカーである」ことなど含めて、9月16日に発表があってから改めて記事にしたい。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)