『ホンダe 登場』 リーフとはちょっと違う「ハイテク都市型EVコミューター」
2020年9月5日 07:12
今、ホンダの造るクルマとしては、最もホンダらしいと言われてしまうかもしれない。10月30日に発売となる「ホンダe」だ。「ホンダは小さな車を造るメーカー」との印象が日本国内では広がっている。軽四輪自動車の販売台数は5月に半減していたのだが、7月はほぼ前年並みに回復している。2020年7月の販売台数を見てみると、日本市場で売られたホンダ車のうちN-BOXが31%を占めている。
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さらに、N-BOXとN-WGNなどによってホンダの国内販売台数の51%を軽自動車が占める。N-BOXとN-WGN(軽自動車)+フィット+フリードを合計すると、ホンダの国内販売台数の78%になる。これでは「F1のセナ」やホンダS2000を思い浮かべるホンダファンとって、それは遠い昔の思い出となってしまう。
しかし、これから発売となる「ホンダe」は小さくてもちょっと違う。「インテリジェントe」とでも言いたい内容だ。1充電最大航続距離(WLTCモード)は283kmとなっており、行動半径100km圏内が実際と考えておくべき仕様だ。だが、それが『リーフとはちょっと違う「ハイテク都市型EVコミューター」』と言うべきホンダeの狙っている市場であるのだ。
「ホンダe」の年間販売台数計画も1000台としており、ホンダは本格的に売る気はない。実験車両の意味合いが大きい。「電子装置の装備品は高級車並み、価格は451万円から」となっており、BEV(純電動車)の「ハイテク都市型EVコミューター」の実験的販売と見られるだろう。
充電方式を見ると、タイプ1単相3.2kWまでの充電コンセントで9.6時間、タイプ1単相6.0kWまでの充電コンセントでは5.2時間で100%充電となる。一般の充電スタンドにあるCHAdeMO規格の急速充電コンセントでは、80%まで30分となっている。自宅で充電できることから、意外にガソリンスタンドのない過疎地での使い勝手が良いかもしれない。「ホンダは小さな車を造るメーカー」との印象からも、都市部だけでなく広い使い道があるものと見える。
残念なのが、451万円からと言う価格が「実験車価格」と言える高さであることだ。すると、実用的には日産・リーフの方が良いのであり、フィットが良いのであり、N-BOXとN-WGNには到底及ばないであろう。
次に注目すべき魅力は『「ホンダe」は、小さくてもちょっと違う「インテリジェントe」』とでも言える点であろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)