FX取引をするなら絶対に見ておくべきシカゴ筋建て玉
2020年8月18日 07:27
短期・中期・長期のいずれの時間軸であっても、投資運用をする際に重要となるのは、相場の方向感を掴むことである。例えばアベノミクスのような分かりやすい上昇相場でない限り、実際に相場の方向感を掴むのは至難の業だ。
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そんな中、相場の方向感を掴むための1つの指標として、毎週発表されるシカゴIMM通貨先物ポジション(シカゴ建て玉)を確認する方法がある。シカゴIMM通貨先物ポジションで、投機筋の為替のポジションを確認することができるのだ。
いわゆるヘッジファンドなどの投機筋は、個人トレーダーとは比較にならないほど大きな資金を動かしているため、彼らの動向が相場の方向感を掴むヒントとなることは間違いない。実際に、これまでの投機筋のポジションと為替の値動きを比べてみると、相関性が非常に高いことが分かる。
そんなシカゴIMM通貨先物ポジションの確認方法であるが、アメリカのCFTC(U.S. Commodity Futures Trading Commission、米商品先物取引委員会)公式サイトにて一般公開されている。
公式サイトは英語表記であるが、「Market Data & Economic Analysis」から「Commitments of Traders」を選択、さらに「Chicago Mercantile Exchange」の「Short Format」内で様々な商品や為替のポジションを確認することができる。なお、投機筋のポジションは「NON-COMMERCIAL」で表記されている。
例えば、2020年8月11日時点のJAPANESE YEN(ドル円)であれば、LONGポジション(円買い)は48,158で、SHORTポジション(円売り)は21,142と、円買いがやや優勢だ。昨今の値動きでいえば、ドル円は膠着状態が続いているが、投機筋のポジションも同じく膠着状態なのである。
CFTCの公式サイトから確認するのが困難な場合には、「シカゴIMM通貨先物ポジション」でWEB検索をすれば、過去の投機筋ポジションがまとめられた日本語サイトを見つけることができるため、そちらで確認していただきたい。
なお、注意すべきは、数値が公表されるのは、毎週金曜日のNYクローズ時点(日本時間の朝6時頃)であるが、公表される数値はその週の火曜日の時点でのポジションであるため、数日間のタイムラグが発生することだ。
もっとも、為替を売買しているのは投機筋だけではないため、投機筋のポジションと為替の値動きとが完全一致するわけではない。しかしながら、投機筋の動向が為替の値動きに大きな影響を与えることは間違いないため、相場の方向感を知るためにはぜひとも確認しておきたい指標の1つといえるだろう。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)