【腹の底からの実力は?】日本企業トヨタ カルロス・ゴーン日産 グローバル企業ホンダ
2020年8月11日 06:04
トヨタ、日産、ホンダという日系乗用車メーカーの中で、「真に日本企業」と呼べるメーカーはどの企業であるのか?どれほど企業として発展しても、日本国民に貢献していない企業を日本企業と言えるのであろうか?
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まず、情勢判断をする場合には、データを漠然と見るのがいい。詳細から見てしまうと判断が狂う。2020年4月~6月期、販売台数が半減するほどの打撃を受け、世界の大多数の自動車産業各社は赤字に転落した。その渦中、1,000万台を販売するメーカーの中で強さを見せつけているのがトヨタだ。
先日、日本政府は「景気回復の長さは戦後2番目の長さであった」とした。しかし、その好景気の間に「日本国民の所得が伸びたのだろうか?」。確かに、大多数の日本国籍?企業は好景気に沸いていたが。
こうした日本国民に還元されていない利益は、出資者つまり株主に配当されてきたのだ。上場企業からは年間13兆円とも言われる配当金が株主に渡っている。非上場企業を合わせれば20兆円にもなろうかと推察される金額が、世界の株主に向かって配当されている。そのうち日本国内にはどれだけ配分されたのであろうか?
「グローバル企業」の存在をどの様に見ればよいのかが問題だ。日本の国内生産量においては、ホンダと日産は20%にも満たない数であったようだ。「国内販売量が少ないので当然だ」と両社の経営陣、株主からの声が聞こえてくるが、トヨタは日本国内生産「300万台を死守する」との方針だ。
トヨタ国内生産300万台のうち、6割近くは日本からの輸出だ。ホンダでは2割、日産でも3割しか輸出していない。これは、ホンダや日産が国内で売れる数しか生産せず、資金効率から考えて「地産地消」のグローバル企業の大原則を守っているからだ。だが、トヨタはコスト上昇をある程度見込んでも、「国内雇用」を守ろうとしていることになる。
ホンダ、日産が、グローバル経営者に経営をゆだねた結果である。日産はカルロス・ゴーン元会長が、株式比率と契約で主導権を握れる構造としてきた。ルノーの大株主、フランス政府であっても容易に主導権を握れない構造は、さすがのグローバル経営者であった。ホンダは、自らグローバル企業を目指して、経営者もグローバルに優秀な人材を求めたのであった。
その結果、グローバル社会に貢献し、日本社会中心とはいかない体質となった。それは日本社会に対しては、「産業の空洞化」をもたらすことになり、雇用と所得水準にとってマイナスの効果でしかない。
一方、トヨタは創業家の経営だ。その考え方の基本は「日本企業」であると、言える内容だ。しかし、これほどの大きさになった企業であると、生き残るためにはグローバルに展開し、世界市場で力を持つことが必須となる。中国市場が世界一の規模となっており、北米市場と合わせて、生き残りをかけた競争が行われている。
その中で、トヨタが抜群の強さを発揮しているのが現状だ。しかし、明日は分からない。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)