勝ち組に学ぶトレンドフォローと損切りの重要性 前編
2020年8月9日 17:58
株式やFXなどのトレードを行う際に、相場のトレンド(上昇局面か下降局面か)に合わせて取引することを順張り、相場のトレンドとは反対方向に取引することを逆張りというが、細かい時間軸の概念を除けば、一般的には順張りトレード(トレンドフォロー)に分があるといわれている。
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逆張りは、トレンド転換のサインや、上がりすぎ・下げすぎという過熱感に対して行われるものであるが、相場は往々にして暴騰し続けることも、暴落し続けることもある。そのため逆張りでトレードをして意に反して損失が出た際に、潔く損切り(損失確定)ができなければ、その損失を次のトレンド転換まで持ち続けることになってしまうからだ。
さらに、損失が出続けたまま自身の失敗を認めることができずに、「もう下がるだろう」「もう上がるだろう」と、さらにナンピン売買(追加で買い増し・売り増しをして、保有する建て玉の平均値を下げること)をしがちだが、ナンピン売買についても、特に逆張りトレードではご法度とされている。
ナンピン売買をし続けた結果、万が一、トレンドが転換しないまま継続してしまえば、いよいよ追加でナンピン売買する資力もなくなり、保有している建て玉を損切りするタイミングも無いまま、結果的には、多額のトレード資産が塩漬け状態になる。塩漬け状態は、返済もできず、負債額も確定しない借金のようなものだ。
たとえば、アベノミクス相場は2013年に始まり、それ以降、長期にわたる株高トレンドになったことは、記憶に新しいだろう。当時10,000円前後でしかなかった日経平均株価は、わずか1年後の2014年には約1.5倍の15,000円を超え、その1年後の2015年には約2倍の20,000円を超えた。もし、この局面で順張りトレードをしていれば、たったの2年でトレード資産は2倍に増えたことになる。
しかし、日経平均株価が10,000円から15,000円に上がった時、「さすがにそろそろ下がるだろう」と空売り、つまり逆張りトレードをしていたとしたらどうだろう。日経平均株価はその後もトレンド転換せず上げ続けたため、その1年後に約20,000円の大台に乗せた頃には、5,000円の負債を抱えてしまうことになったのだ。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)