「時間術」で学習の遅れを取り戻す 夏休みを有効活用しよう

2020年7月30日 17:29

 時間管理術は子供の学力に直結するという。付属のカレンダーに「今月の学習計画を立てる」などの課題を出している大手学習塾や通信教育は、少なくない。スケジュールや学習計画を文字に書き起こし、目に見える様にすることで物事の整理がしやすくなる。先を見通す力も付けられる時間管理術は、子供のうちに身に付けるとどんなメリットがあるのだろうか。まずはこの夏休みを利用して、夏休みの計画を立ててみよう。

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■やるべきことを書き出す

 親子の会話でありがちだが、親が1度に多くのことを指示する為、子供が混乱し、結果的に「何から手を付けて良いのか分からない」「何を言われたのか忘れてしまう」など混乱に陥るケースがある。

 頭の中を整理することは、それ相応の技術と経験が必要になる。従って、まだ経験の浅い子供には、まずはその整理の仕方を教えてあげたい。やるべきことを視覚的に見て整理できるように、とにかく書き出してみるのだ。

 小学生程度でも物事の期限に意識を向けることは可能なので、締め切りがある項目は、是非、時間軸のあるカレンダー上に書き出してみてほしい。

■優先順位を付け、実行する

 締め切りが明確なものは、カレンダー上に書き出すことが出来るかもしれないが、中には締め切りが無いものもある。若しくはやるべきことが複数あり、何から手を付けて良いの分からないこともある。

 ここで、優先順位の付け方の1つにlow-hanging fruit(ロー・ハンギング・フルーツ)という考え方があるので参考にしてほしい。「高い所にも低い所にも実る果実であれば、手の届く下の方の果物から取る方が易しいのではないか」つまり、『簡単に達成・克服できることから優先的に手を付けよう』という意味を持つ言葉だ。

 課題を終わらせることが出来れば達成感がわき、自己肯定感が高まる。するとそれは、更に頑張ろうとする意欲と、より良い成果を生み出す力へと変わっていく。

■夏休みは1学期の遅れを取り戻すチャンス

 この時間管理術の習得と同時に、1学期の学習内容を見直し、「自分が苦手な項目」「曖昧な項目」を振り返り、紙に書き出してみよう。苦手な内容、曖昧な内容を洗い出し、それらを時間軸で分割し計画を立てていく。『この日とこの日は「割合」を復習しよう』『この日は漢字の復習をしよう』などだ。

 但しここで1つ気を付けなくてはならないことは、計画を随時見直すことだ。これにより、立てた計画に無理が無かったか、計画に漏れが無かったかなどを考え、軌道修正をし、計画自体を無理なく実行できる様になる。

 最終的に1人で時間管理が出来るようになることを目指している現段階では、保護者が振り返りのサポートをすることは決して悪ではない。親から離れ、自立した行動をするようになるまでは、むしろしっかりと寄り添うことが望ましい。

 もしも子供の学習のサポートに手が回らない場合は、学習塾の夏期講習などを利用してみるのも1つの方法だ。今年は例年に比べ手厚いサポートやオンライン講習を実施している学習塾も多い。8月上旬まで申し込みが可能な場合もあるので、これらを組み合わせてみるのもまた一興だ。(記事:板垣祥代・記事一覧を見る

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