2021年EVラッシュ 日産・アリアのライバル 筆頭はテスラ・モデルYか 背景はEU規制
2020年7月21日 11:35
日産・アリア、そしてテスラ・モデルY、アウディ e-tron、メルセデス・ベンツ EQC、ジャガー・ Iペース、フォルクスワーゲン ID.3、BMW i4、ポルシェ・タイカン、マツダMX-30、ホンダeなど、2021年からEVラッシュとなる。テスラも量産に成功してきたようで、軌道に乗ってきている。新型SUVのモデルYが、当面は日産・アリアのライバルとなるのだろうか?
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各メーカーのEVは価格帯が広範囲で、必ずしもそれぞれがライバルとはならないが、1充電の航続距離が日産・アリアも最大610kmと実用的になってきている。急速充電スポットの整備も進んでおり、2021年は日本でもEVを迎え入れる準備が整ってくるようだ。これだけ急速なEV開発が進む背景には、EUの排気ガス規制がある。
簡単に言えば、メーカーごとに規制をクリアすることが求められているのだが、トヨタでさえ現状ではクリアできていないのだ。しかし、このEUの規制によってEVに急速にシフトしなければならないのが、世界の自動車メーカーが置かれた現実となった。
平均燃費は、25km/L以上としなければならない規制値だ。それも販売する車種の平均値であり、これを守れないと1台あたり日本円にして1万2千円の罰金を課されることとなる。
現在、クリアできると見られるメーカーは4社程度と言われている。EUの規制も中国の規制も日本のHVを意識して作られているため、発電効率など無視しHV開発を飛ばして、EVシフトを進めるように考えられてきた。そのため各社ともEV開発に熱心なのだが、ここにきて中国はPHVなども認めるようになってきており、現実的に地球温暖化防止に向けた効果のある方法になってきているのも事実だ。
新型コロナウイルス感染拡大の中でテスラの販売台数は伸びており、それに各社の猛追が始まろうとしている。また、量産EVとして販売実績の最多は、日産・リーフだ。そして、新発売の日産・アリアは実用的航続距離を持っており、普及が進む可能性がある。しかし、問題は「価格」である。
EV車は1千万円クラスとなってしまうが、新型日産・アリアの500万円は希望が持てる価格だ。しかし、PHEVは300万円クラスが多く、価格競争では普及は望めない。これには電池のもう一段のエネルギー集積度の向上が必要で、生産コスト低減の努力も必要だ。
日産は、特定のメーカーとの電池開発を基にしているのではなく、世界のどの電池メーカーの製品も使っていける仕組みをアリアに施しているようだ。これから激しくなる競争に勝ち抜くには、多くの要素が絡んで見通しをたてるのは困難だが、当面のライバルはSUVのテスラ・モデルYとなるのであろうか?(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)