トヨタ・新車攻勢&値下げで国内生産300万台死守、日産・新車攻勢で脱ゴーン?

2020年7月19日 08:27

 トヨタ自動車は国内販売で、小型車から高級車の一部の新車販売価格を値下げする。5万~10万円の値下げをするが、その原資を販売店ではなくメーカーが負担して引き下げる。これは極めて異例なことだ。トヨタは、何が何でも国内生産台数300万台を確保する気だ。

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 国内ディーラーに対して、2020年1月には販売計画を159万台としていたが、新型コロナウイルス感染拡大により下方修正して130万台としていた。しかし、今回の新車販売価格の値下げに伴い、10万台加えて140万台の販売を見込んでいる。これは、前年度実績と比べて13%減となる。

 販売目標を社員自ら決めさせる企業もあるが、その方策や原資を示さない企業も多くある。厳しい市場情勢の中でも、売れ筋であるSUVの相次ぐモデルチェンジがあり、販売現場の武器を与えた格好になるのだが、さらに値引き原資をメーカーで負担して拡販に当たるなど、トヨタには強い決意を感じる。

 トヨタの目的は、もちろん5,000憶円の利益確保もあるが、それだけでなく、日本社会に貢献するため「日本国内生産300万台確保」して、配下のサプライヤーを含めた雇用を守ろうとするのだろう。

 一方、日産は「新エンブレム」を新型EV・アリア発表と同時に示して、脱カルロス・ゴーンの姿勢をアピールしている。また、キックスは売れ筋クロスオーバーSUVであり、日本投入が待たれた車種だが、BEVのアリアの発売が2021年であることは残念だ。どちらにしても日産は、日本社会に貢献する余裕はまだないようだ。

 日産は、脱カルロス・ゴーンを前面に押し出している。それは要するに、生き残りをかけて規模を縮小し、カルロス・ゴーン体制で後回しにされていた新車投入を積極的に行い、再び業績拡大の軌道に乗せることを考えているからだろう。

 「フェアレディZ」もモデルチェンジの計画が組まれているようで、その姿も初代S20の面影を残していると言う。社会人となって人生最初の購入車両がS20であった筆者としては、再び「あこがれの車を販売する日産」になることに期待を持つ。それと同時に、日本社会の一員としては、トヨタのように日本での雇用確保に貢献してほしいと思う。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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