遅れた日産、先を行くマツダ、見通したトヨタ、売り方のスバル、出直しホンダ (4)
2020年7月6日 12:05
■遅れた日産、先を行くマツダ、見通したトヨタ、売り方のスバル、出直しホンダ
そこで、現在の情勢を見てみると、ドイツのメーカーが先行していると見える。日本メーカーで先行しているのはやはりトヨタであり、基礎をすでに完成させており、「ネット注文」「オーダーメイド」に対応を目指していける状態だ。
【前回は】遅れた日産、先を行くマツダ、見通したトヨタ、売り方のスバル、出直しホンダ (3)
●遅れた日産
ルノー・日産・三菱自動車の3社連合は、基本的に、「金融知識」の経営者がM&Aによって1千万台クラブの頂点に立ったのであり、「造り方」による革新には熱心ではなかった。また3社連合は、本来は生産革命でも有利な体制になれるのだが、現在は最もインダストリー4.0への対応が難しい構成になっている。やはり資本の力関係から整理しなければ、対応がさらに遅れてしまうことになるだろう。
日産の「インテリジェント・ファクトリー(Intelligent Factory)」が正論と聞こえるが、金融知識の経営者たちが、マクロン大統領の政治的な圧力をもコントロールして、この方向に進めることが出来るのかは大変不透明だ。まだ経営トップがこれを「切り札」と捉えていないようだ。
これでは3社が協力して進めることは難しいだろう。COVID-19の感染拡大が、逆にその危機感によって3社の壁を取り除いて進められる原動力となるのか、注目だ。
●先を行くマツダ
マツダは「スカイアクティブ・テクノロジー」を推し進め、「プレミアムブランド」となり利益率を確保できる企業に脱皮しようと努力している途中である。だが、COVID-19の感染拡大が起きているため、販売店整備の仕掛具合が心配になる。今、大幅な減産局面になると生き延びることが難しくなるであろう。
販売奨励金を当てにして安売りを得意とする北米のディーラーを整理してきた。これから新世代モデルを投入して反転、販売攻勢に出るところであったのが災いしている。
せっかくの長期的展望を持った計画であるので、トヨタの傘下になろうとも計画を貫いてほしいものだ。トヨタにはインダストリー4.0に対する準備があり、マツダも現在、BMWが進めているAIによる生産工程管理システムを成功させる下地が出来ている。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)