レバレッジとは? 規制されてきた背景とその魅力 前編
2020年6月27日 07:45
レバレッジという言葉を聞いたことがある人は多いと思われるが、レバレッジの本来の意味は「テコの原理」であり、経済活動において、他人の資本を使用することで自己の資本に対する利益率を高めることを指す。しかし、投資運用に限っていえば、レバレッジとは「自己資金に対して投資可能な倍率」の意味と考えれば良い。
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具体的にいえば、FX口座ではレバレッジを最大25倍までかけることができるが、この場合、口座にある自己資金の25倍の資金で、取引が可能であることを意味する。10万円の資金であれば、最大250万円まで外国為替の取引が可能となるのだ。また、FX以外でレバレッジをかけることができる口座として、仮想通貨口座や株式口座(信用取引)が挙げられるが、仮想通貨口座では最大4倍、株式口座(信用取引)では最大3.3倍のレバレッジをかけることが許されている。
例えばFX口座において、レバレッジをかけずに(レバレッジ1倍)取引をすれば、仮に1ドル100円だった場合、1,000ドル購入するためには10万円の資金が必要である。そして、もし1ドル100円だったものが1ドル101円に値上がりしたとしても、利益はたったの1,000円だ。ドルに限っていえば、その価格の値幅は1日に大きくても2~3円程度であるため、利益は2~3,000円の範囲にしかならず、これでは投資としては非効率といえよう。
しかし、レバレッジが25倍であれば、10万円の資金で25,000ドルまで購入することが可能となるため、仮に1ドル100円だったものが1ドル101円になったとすれば、利益は2万5,000円にも膨れ上がることになるのだ。それだけ資産の回転効率が良いことになる。
ちなみに、先に挙げた各種口座のレバレッジについては国内の取引口座における最大レバレッジあるが、あくまでも金融庁に規制された結果の最大レバレッジであり、本来はより高いレバレッジをかけることが許されていた。例えば10年ほど前には、FX口座ではなんと400倍のレバレッジが許されていた時代がある。たった10万円の自己資金で4,000万円もの巨額な為替の取引が許される時代があったのだ。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)