家事代行ポータルも登場 裾野広げるプラットフォームサイト
2020年6月25日 12:23
財経新聞の4月23日付企業・産業欄に、『LIFULL介護サイトは、一社員の体験で生まれた』と題する記事を投稿した。正確にはプラットフォームサイトである。
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介護施設を探す人が登録をして、紹介されている諸々の施設の実態を知る。「ここ」と思う案件に出会えばサイトにアプローチし、施設と直接相談・交渉する。サイト運営側には成約時に手数料が入るという枠組み。
こうしたプラットフォームサイトが徐々に裾野を広げている。葬儀に関する葬儀社・墓石業者など間に立つサイトの運営を行う鎌倉新書なども知られるところ。
また日経がいわゆるユニコーン企業に認定する1社にCaSy(カジー)がある。一口で言うと「家事代行(掃除・選択・食事等の)派遣業」。ここでもプラットフォームサイトの枠組みが活かされている。家事代行の「希望者」と「代行者」のマッチングを図っているのである。
更にこんな「損して得を取ろう」を目論む、ポータルサイトを立ち上げた福岡の業者を知った。「データ便(大容量のデータの送受信サービス)」で知られるFalco(ファルコ)。
データ便以外にも小規模ながらも民泊・レンタルスペースの運営も手掛けてきた。その体験を活かしレンタルスペースの検索サイト「スペース便」を開始した。
植村福太郎代表は「展開されているプラットフォームサイトの多くの成約手数料は、利用料金の30%前後。利用ごとの清掃費などを勘案すると、利益はごくわずか」とした上で、「地方とか郊外ではレンタルスペースの絶対量が少ない。テレワークに代表される働き方改革は、コロナ禍による一過性のものではないと見る。レンタルスペースやシェアリングスペースの認知度を広範囲に広め、オーナー・利用者双方に満足度を高める目的でプラットフォームを立ち上げた」としている。
開始した「スペース便」の最大の特長は、プラットフォーム利用に当たっての手数料。月額利用料の15%、ないしは月額5000円のうちどちらか高い方を課す。30%前後でも「薄利」とされる中、大丈夫なのか。しかも「スペース掲載に際しては、運営側が内見をした上で決める」と言う。清掃に対する姿勢・レベルやWi-Fi等がきちんと機能しているかをチェックする。
が、植村氏には経営者としての、独特の読みがある。「全国レベルの掲載スペースを、1万件にもっていく。実現し、掲載スペース数・利用実績を順調に積み重ねることができれば、15%or5000円が業界のスタンダードになる」。先行の利+実績の利を享受できるというわけだ。見守りたい。(記事:千葉明・記事一覧を見る)