関西大学には起業家魂が醸成されている!?

2020年6月15日 16:50

 過日、北の達人コーポレーション(北の達人)の創業者社長:木下勝寿氏と電話取材の機会を得た。いまや「オリゴ糖」を活かした健康食品/機能性食品や、ヒアルロン酸をベースにしたスキンケア化粧品のネット販売などで全国区になった企業である。

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 木下氏は「幼少の頃から(漠然としておいて欲しいとの注文)、社長になりたいと思っていた」とした。そもそもの契機(オフレコの約束)を聞いて微笑ましさを感じた。

 関西大学に学んだ。本人から「大学内に企業を立ち上げる土壌が培われていた。自分も起業し企業運営の喜び・楽しさを学んだ。卒業後は躊躇することなく、多くに起業家を輩出していたリクルートに5年間と期限を決めて就職した。そして5年後に退社し、起業した」と耳にした。

 北の達人を興したわけではない。いまの北の達人に至るまでは、「七転び八起き」まではいかないが数回の失敗を繰り返している。失敗するたびに手持ちの金が底をつく状態に陥り、肉体労働に精を出し生活をつなぎ次の起業に思いを巡らし準備をした。いずれ財経新聞で、北の達人成功までの木下氏の「事実は小説よりも奇」の軌跡を記したいと考えている。

 そして8月には、出前館の中村利江会長と東京本社で直接に取材をする段取りになった。中村氏について下調べをしている中で、先の木下氏との共通項に出会った。「関西大学出身」である。

 中村氏も「土壌」によって育てられた。現に大学内で、こんな事業を展開した。いつも授業に遅刻する男子学生が漏らした一言がヒント。「女の子がかわいい声で起こしてくれたら遅刻しないのに」。仲間を集め「モーニングコール事業」を立ち上げた。プロ野球好きの学生向けに、贔屓のチームが勝った時に「おめでとう」とコールするオプションもあったとか。

 中村氏が夢の街創造委員会(現、出前館)に身を投じたのは、創業から2年目の2001年。売上高月額2万円。負債総額3億円。創業者がとある出来事で追訴された時だった。

 下調べの過程で、作家:村上龍氏との対談を読んだ。実は中村氏は6月に会長に就任する。LINEから300億円の出資を受け、LINEから社長が送り込まれた結果だった。村上氏のその当たりの心境を尋ねようとする質問に中村氏は「なんでそんなことを聞くのかしら」という顔つきで、「(300億円は)システムを整備するために使います」と嬉しそうに語ったという。村上氏は対談後の編集後記で「ウーバーイーツとの闘いにも負けはしないだろう。(中村氏は)出前の申し子なのだ」と記している。

 中村氏が牽引した「出前館物語」もいずれ、財経新聞で詳細に記したい。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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