リクルートの守備範囲の広さを、改めて知らされた
2020年6月11日 06:16
リクルートってどんな会社、と問うと色々な説明に出会う。最近では北の達人コーポレーションの創業者社長:木下勝寿氏から、「僕も学校を卒業後5年間在籍していた。理由は唯一つ。沢山の起業家を輩出しているから。サラリーマンで生涯を、なんて言う気持ちは全くなかったから“起業家研修”の目的で入った」という答えを貰った。いささか風変わりな説明ではあるが、起業家を多々輩出していることは事実。
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決算短信を覗いてみた。「起業家事業」というセグメントには出会えなかったが、人材絡みの事業展開は目立つ。INDEED(オンライン求人情報検索サイト)を展開する『HRテクノロジー』セグメント。問題となった「内定辞退率を予測するサービス事業」もここに入るのだろうか。直近の短信からは読み取れなかった。
『メディア&ソリューション事業』には結婚促進情報誌「ゼクシィ」や旅行情報誌「じゃらん」などがある。具体的に求人情報絡みのサイトや、広範囲な生活フォロー誌を指折り数えていったらキリがない。
直近、知り合いの女性記者から「リクルートが展開するエリクラというマッチングサイトをご存知ですか」と聞かれた。余談だが彼女は「障がい者(障害者とは絶対に書かない)のバリアフリー」をテーマに積極的な取材・執筆活動をしている。直近も「オストメイト向け便座」について記した一文は力作だった。
「エリクラ」なるサイトを全く知らなかった。「不勉強です」と言われ調べてみた。以下のようなものだと知った。
★集合住宅の共用部分の定期巡回や清掃業務を依頼したい(不動産)管理会社と、働きたい人を結びつけるサイト。
★不動産会社は仕事内容や納期を定め登録すると、24時間以内に業務を完了させる仕組み。
★不動産会社はあらかじめ作業マニュアル等を送っておくことで、業務にあたる登録ワーカーは清掃カ所などをスマホで確認できる。作業が終わった時点で、スマホで作業カ所の写真を撮りコメントを添えて報告する。
★料金は時間単位ではなく、作業ごとに「定期巡回500円から~、清掃業務は1000円から~」となっており当該戸数により料金が異なる。発注側と受注側の間の契約は、業務委託契約。
★昨年7月にはじまり、現在首都圏中心に30社が利用している。リクルートの収入は30社からの手数料。
女性記者に「という事業だろう」と電話で伝えた。自信たっぷりに、である。彼女から返ってきたのは「ワーカーはどんな人が多いのですか」という「うーん」と答えに詰まる質問。「1時間程度で作業時間ですから、近隣エリアの主婦層が多く登録している。まあ、主婦層の新たな就業機会の創出ですね」。
リクルートのどんなセグメントに属す事業か、は聞き忘れた。(記事:千葉明・記事一覧を見る)