「登り百日、下げ十日」暴落にも対応できる投資方法とは?
2020年5月10日 07:49
「登り百日、下げ十日」とは相場の格言だが、上げ相場はジリジリと少しずつしか上がらない一方で、下落局面に入れば急速に暴落するという、まさにトランプ大統領就任からコロナショックまでの株式市場を見事に表現した格言といえよう。
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そして、急速な暴落時に利用したいのが、投資初心者には考えもつかない行為である「空売り(からうり)」だ。株式投資における空売りとは、買ったものを売るのではなく、手元に無いものを売るという投資方法だが、投資の世界で勝ち抜くためには特に重要な手法といえる。
この空売りは、手元に無い株券を売ることになるので現物取引ではない。現金を担保として証券会社に預け、証券会社からお金を借りて株券を買ったり、株券を借りてそれを売るという信用取引である。
空売りをした場合、その銘柄の株価が下がれば利益となり、逆に上がれば損失となる。つまり、時価100万円の銘柄が暴落して50万円に値下がりすれば、50万円の利益となるのだ。
そんな、信用取引と類似である位置づけに、CFD取引がある。日本語では差金決済取引を指すが、売買の際に取引金額全額では行わず、売買の結果として発生した差額のみをやりとりする方法である。
とある商品を10万円買い、11万円の時に売れば1万円が利益となり、9万円の時に売れば1万円の損失となるが、この損益だけが取引した口座から増減することになるのだ。
さて、信用取引とCFD取引の大きな違いといえば、扱われている銘柄の違いということができる。日本の個別銘柄やETFを空売りできるのが株式投資の信用取引であり、世界各国の株価に、原油や金などの商品を空売りできるのがCFD取引といってよいだろう。
例えば、先物が史上初のマイナス価格にまで暴落した原油は、CFD取引にて空売りが可能だったため、目ざとい投資家はCFD取引で原油を売り続け、多くの利益を上げたに違いない。もちろん、今回のコロナショックの暴落で大金を手にいれた投資家もいるのである。
このように、暴落相場で大きな利益を生むのが「空売り」の行為であり、リーマンショックの暴落にかけて大成功を遂げた男たちを描いた、ブラッド・ピット主演の『マネーショート』ではないが、暴落時に活用できる投資方法の1つとして、その方法を修得しておくべきといえるだろう。(記事:小林弘卓・記事一覧を見る)