豊田合成、PCR検査車両を東京都医師会に提供 移動でき隔壁も備える
2020年5月9日 09:50
トヨタ・グループの豊田合成は、新型コロナウイルスのPCR検査検体採取を行えるように改装した車両を、東京都医師会に提供した。新型コロナウイルス感染症で治療に当たっている医療現場を支援するため、トヨタ自動車本体とトヨタ・グループ各社が共同で行う、「ココロハコブプロジェクト」と称する活動の一環として、PCR検査を行う車両を寄贈したものだ。
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この車両は、「第46回東京モーターショー2019」に出展した、電気で伸縮する次世代ゴム「e-Rubber」の開発ネットワークから生まれたもののようだ。電圧をかけると誘電ゴムが伸び縮みする「e-Rubber」はAIロボットの表情を作り出す研究などで使用されているが、医療分野での応用も期待されている。
こうした医療現場とのつながりから、現在、新型コロナウイルス感染拡大阻止にとって必要となっているPCR検査検体採取が出来る車両を作った。
この車両を病院の外に設置して、医療従事者の感染を防止しながら検体採取が行うことが出来るようになっている。検査場が必要な地域に移動が出来るため、期待が持てる企画だ。車体改装は、同じトヨタ・グループのトヨタカスタマイジング&ディベロップメントが担当した。
これから日本が経済活動を再開していくにあたり、新型コロナウイルス感染者を早期に発見し「隔離」していくと、感染リスクを低減できる。そのためには、出来るだけ多くのPCR検査を実施しなければならないが、検査場所の設置には苦労しているのが、日本を含め各国の実情だ。東京では、まず軽症者収容施設となったホテルに隣接して設置されるようだ。
この車両にはさらなる改装を加えていくようだが、イギリスには最新鋭のPCR検査機器をコンテナに配置した装備があるようだ。こうした設備と一体に配置すれば、必要と思われる地域に1日に数千の検体採取と検査が行える施設が移動できることになる。
トヨタ・グループの力を結集して早期に整えられると、確定診断と陽性者の隔離が進み、医療と経済活動復活が早期に進められることとなる。
日本国民は罰則などなくとも自主的に「ロックダウン」に相当する成果を出したのだから、次のステップでは医療と経済との両立を目指すには絶好の車両であろう。PCR検査を絞り込んでしまった現在の状況を打破して、日本社会の実力を世界に示してもらいたいものだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)