ホンダ・スーパーカブ110 60年を超え、新カラー「パールフラッシュイエロー」追加 (1/2)
2020年4月21日 07:44
すでにデビューから60年を超える、ホンダ・カブの昔の姿を今でも覚えている。印象に残っているのは、まだ私が子供の頃のこと。近所の薬局が、「御用聞き」と言って電話で、あるいは当時あまり電話が普及していなかった時代のため訪問して注文を取り、すぐに届けてくれる商売をしていた頃だ。その「御用聞き」や「配達」の折、乗っていたのが「ホンダ・カブ」だった。
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しかし、現在でも当時の姿のまま、それで配達に走りまわっているのを見かける。最近、交番の「おまわりさん」が乗るバイクが「ホンダ・カブ」であることに改めて気付いた時、なんとも言えない「感慨」が湧いてきた。半世紀以上も日常的に目にしていながら、「クラッシックカー」ではなく、最新装備に更新されたモデルでホンダ・カブが走り続けているのだ。
現在、50cc(原動機付き自転車)の「カブ」と、110ccのエンジンを積んだ「スーパーカブ」が発売されているようだが、その「スーパーカブ110」にNEWカラーが追加された。ほとんど変わらぬ姿との印象だが、細部は刷新されているようだ。エンジンはセルでも始動できるが、キック式も残しているようだ。信頼性が上がっているのでキック式は必要がないはずだが、残されている。
ホンダ・カブで、もう1つ記憶に残っているエピソードがある。半世紀前のホンダ・カブが、どれほどの馬力であったのかは定かではないが、友人がカブに乗って私の運転する初代トヨタ・カローラを追いかけてきたことがあった。制限スピードは今と変わらず30km/hであったが、50km/hを超えるためには姿勢を低くして、「レーシングスタイルにしないと追えない」と言っていたことだ。つまり、非常に限られた馬力で60kgの大人を載せ、カバーのない状態で空気抵抗を受けると50km/hぐらいが精いっぱいだったのである。
これを聞いたことで、日ごろ何気なく100km/hぐらいまで速度を上げていても大きな空気抵抗を受けていることを知ったのだ。100km/hでは、エンジンの馬力の半分ぐらいを空気抵抗で消費してしまうのだそうだ。特に、全面投影面積が大きいミニバンやSUVを走らせる場合、かなりそれは大きいと認識してかかることだ。ホンダ・カブで走る時は、自分の空気抵抗によってかなりの燃料を無駄に消費していることになる。レーシングバイクの風防の役割が、伊達ではないことが見えてくる。
さて、排気ガス規制や燃費向上を求められる現在の情勢は、ホンダ・カブにも大きな変化を要求していた。それが、4サイクルエンジン搭載になって表れたのであろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)