【絶滅の危機? (2/3)】フリーランスは危険な職種

2020年4月8日 07:45

 自動車製造業は、自動車として機械式メカニズムを造り、品質を保証しなければならない。その中でコストを抑え、安定して供給し、メンテナンスを続けていけることが自動車メーカー、ディーラーに必要だ。しかし、売上げがなければ赤字となってサービスが続けられない。売上げが下がっても、なかなか赤字にならない方が「体力がある」企業となる。

【前回は】【絶滅の危機? (1/3)】日系自動車5社、米新車販売3月は4割減 4月は8割減か?

 企業の決算内容については、特別に経理の知識がなくても概略の理解は出来るものだ。例えば、「固定費と変動費」に企業の経費は分類される。それは文字通りの意味で、売上げの増減に従って上がり下がりする経費が変動費だ。その中で、材料費などは製品を造らなければ明らかに必要ないし、製品を造れば材料は必要で増えることとなる。

では固定費は?と言うと、売上げの良し悪しに関わらず「固定的にかかる費用」であるため、売上げが上がらない時には大変きつい費用となる。現在、新型コロナウイルス感染拡大によって売上げが立たない飲食店では、「家賃」は固定的にかかるので赤字でも必要となる費用だ。また、人件費もそのほとんどは固定費となる。それは正社員に限ればということだが、月の給与の基本給などはそれにあたる。

 フリーランスの場合、仕事はその都度契約で行うため、仕事がなければ報酬もない。雇う企業側は、売上げが下がった時に出来るだけ解雇しやすい形態で雇いたいので都合がよい。そのため、フリーランス、派遣、アルバイトなど正社員でない雇い方が増えているのだ。つまり、身分保障をしたくないので、企業側がフリーランスを好むのだ。フリーランスや派遣が決して「かっこ良い」のではなく、企業が「クビにしやすい」から普及してきたのだ。

 しかし、ここで勘違いしないように注意する必要がある。「従業員は全て正社員」として身分保障出来る状態にすることが、本来は日本社会を安定化することとなるのだ。これまで行き過ぎた正社員と非正規社員の労働条件の調整が進められようとしてきた。同じ仕事では同じ額の給料にすることが始まりであろう。それに、解雇する条件も同様にするべきだ。

フリーランスにも正社員と同様な条件を設定出来なければ、若い世代が結婚して家庭を築くことが出来ない状態が続くこととなる。つまり、社会は安定しない。現状では、フリーランスは危険な職種であることを知るべきだ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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