7千万年前の地球の自転周期は今より30分短かった 二枚貝の記憶 米での研究

2020年3月12日 12:25

 今から7千万年前と言えば、ユカタン半島に巨大隕石が落下して、恐竜が滅亡するタイミングより少し前の時代であり、恐竜が世界中を闊歩していたことだろう。その頃の地球は1年で372回の自転を行っていたという。現在の地球は365回しか自転していないので、少しだけ怠慢になってしまったのだろう。

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 いっぽうで1年の長さは、地球が誕生してから現在に至るまでの46億年の間、変化していないのだ。その理由は、地球が太陽の周りをまわる公転軌道に変化が起こっていないためである。したがって、1年が372日だった7千万年前は、現在よりも1日の長さが30分ほど短かったということがわかる。

 この情報は、2月の初めにアメリカ地球物理学連合がAGUジャーナルで公開したレポートで明らかにされたものであるが、石灰岩の主成分である方解石という鉱物の研究により、判明した事実である。

 方解石は古代軟体動物の殻の化石で、化石に記憶された貝殻の成長線を詳細に分析することにより、潮の満ち引きの状況を推測できる。満潮時に貝殻は成長ができるが、干潮時には成長が停滞してしまう。潮の満ち引きには季節的変動や毎日の変動などの要因が含まれるため、それらを加味して、分析を行わなければならない。

 研究では、慎重に貝殻の成長線を分析した結果、1日当たりに約40ミクロンだけ貝殻は成長することが判明した。つまり満ち潮時に40ミクロン成長し、干潮時には成長が止まるということを繰り返していたのである。そしてその繰り返しが1年で372回分記録されていたのだ。

 ところで地球の自転周期は、地球がまだ誕生したばかりの頃は5時間程度であったと言われており、年月の経過とともに徐々に延びてきている。その主な原因は潮汐摩擦と呼ばれる現象で、潮の満ち引きの際に生じる海水と海底の摩擦が自転を遅らせているのだ。計算によると今から1億8千万年後の1日は、25時間になってしまう。

 ただし、地球の自転周期を取り巻く事情は、ここに示しただけの単純なメカニズムだけにとどまらないようだ。どうやら地球内部の核の活動も微妙に地球の自転速度に影響を与えているらしい。

 国立天文台が公表している情報によれば、2003年時点での1日の長さは1990年のそれよりも少しだけ短くなっている。つまり、長期的なトレンドで見ると1日の長さはだんだん伸びていく傾向にはあるが、短期間のスパンで見た場合には、自転速度がスピードアップするタイミングもあるのだ。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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