マツダ3が問いかける「ペダルの踏み間違い防止」は、自然なペダル位置

2020年3月6日 07:22

 クルマの運転において、「ペダルの踏み間違い」は高齢者に限らず起こり得る間違いだ。それでも高齢者に可能性が大きいと言われるのは、体の柔軟性が高齢になると失われてくるからだ。

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 だから、ブレーキングをする際にアクセルペダルからブレーキペダルに踏みかえる動作では、「ペダルの配置」が重要であることは明らかだ。そこでマツダでは、ペダルレイアウトの変更を全車で実現したという。

 年齢を重ねると「体の柔軟性」が失われてくる。例えばバックをする際、一番の動作は後ろを確認することだが、体が硬いとそれが難しくなってくる。そのため、最近ではバックモニターなどの安全装置が大きな役割を果たすようになった。

 ブレーキングの場合、「アクセルペダルから、ブレーキペダルに踏みかえるだけ」と言っても、足をいったん持ち上げてスライドさせて、多くは、さらに足首をねじる動作が入るのが通常だ。

 この一連の動作を緊急時には一瞬で行わなければならず、間違いが起きやすい。また、緊急時でない時でもねじり不足などでアクセルペダルを踏み込むと、事故になりやすいと言える。こうした状況を避けるには、やはりペダル配置の問題が重要だ。

 「右ハンドル」のクルマの場合、どうしても運転席の右端の部分に「ホイールアーチ」による出っ張りが出てくることがある。特に、小型車ではこの傾向が強く、そのおかげで運転姿勢は左に向いているクルマも多い。これは、「ホイールベース」が小型車では短いことと、室内の広さを確保するために運転席が前進していることにより起きるものだ。

 この点「マツダ3」の場合、小型車でありながら運転席が後退しており、ホイールアーチの出っ張りが少なくなっている。つまり、マツダ3のように「ロングノーズショートデッキ」スタイルでは、ペダル配置を理想的にすることできるようになってくる。

 小型車でもホイールベースを出来るだけ長くして、運転席を十分に後退させることが出来れば、ペダル配置では理想的になるということだ。

 しかしその場合、パッケージングで犠牲になるのは後席と荷室となる。パッケージングとデザインを両立させるには、リア・オーバーハングを長く取ると解決できるのだが、現代のスタイリングでは許されない状況だ。実用性が多少犠牲になる配置となるのだが、やはり最優先させるべきは、踏み間違いを出来るだけ減らす「ペダル配置」であろう。

 これからの自動車設計においては、ペダルの踏み間違いなどを防止する「運転支援装置」の装備が進むと、ペダル配置を気にしなくても良い時代がやってくるのであろう。だが今は、ドライバーは「柔軟体操」を日常的に行うことと、運転の仕方に十分「注意」することが必要だ。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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