AIで新型コロナウイルス診断 PCR検査で6時間がCT画像1分で判断 中国企業
2020年2月13日 17:03
WHOは新型コロナウイルスによる肺炎を「COVID-19(コビッド19)」と命名したが、現状は名前などどうでもよい。現在、診断を確定するのにPCR検査で4~6時間を要しているが、AIでCT(コンピューター断層撮影)画像を診断すれば1分ほどで診断がつくようになったという。
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中国北京市にあるスタートアップ企業インファービジョンが画像診断支援システムを開発し、それが可能になったようだ。さすが、AI先進国中国だ。
これまでは、PCR検査によって新型コロナウイルスによる肺炎かどうかの判断をしてきたが、検査機関が不足しており、十分な数の検査が出来てはいない。そのため中国でも日本でも、また世界のどの地域でも、公表された感染者数は「検査が終わっている限りの数」としか言えないのだ。
日本でもこれまでは湖北省にかかわりのある人以外は検査をしておらず、連日ニュースとなっているクルーズ船の乗客の検査も難航している。
簡易検査キットの開発が待たれるが、精度の問題などで数カ月は要すると言われている。現在のPCR検査はかなり正確なようだが、検体を採取するときの場所、時期、方法などによって必ずしも正確にはいかない。潜伏期間中に感染する今回の新型コロナウイルスの特徴からも発見が遅れており、感染拡大の原因の一つだ。
そのため早期に確定診断が出ず、十分な対策も治療も出来ていないのが現実だ。HIV治療薬などが治療に効果があるかもしれないと言われ始めたが、診断を確定できないと広く進めることも出来ない。検査のスピードアップが待たれている。
そこで登場したAIによるCT画像診断だが、「感染者を感染していると判定する確率(感度)」は98%で、「非感染者を感染していないと判定する確率(特異度)」は80%以上と称している。AIにディープラーニング学習させたCT画像は1000枚と少ないため、CT画像は随時追加されている。データは中国ではいくらでもあるのだから、さらに精度は向上するであろう。
しかし、新型コロナウイルスに感染していてもまだ肺炎を起こしていない場合、診断できるのかは不明だ。潜伏期間で症状が出ない場合、患者の肺のCT画像はきれいなはずで、感染の跡はないと判断してしまうのではないかと懸念する。
それでも、症状が出ており肺炎を起こしている可能性がある場合の診断はかなり容易となるはずで、ケースによってはPCR検査とAI診断を併用したり、使い分けたりすることで、効率が上がるのではないだろうか?もちろん精度も上がるはずだ。
日本でも感染が拡大し始めると、治療が追いつかなくなる可能性が見えている。日本でも出来る限り早い実用化が望まれる。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)