放課後の2000時間  「学びの場」民間学童という選択肢

2020年2月10日 14:52

 2月。多くの公立学童クラブの入所決定通知が届く。入所先が決まった家庭は一安心というところだが、待機児童者数は減少傾向にあるとはいえ、この時期、我が子の身の置き場が全ての家庭で決まっているわけではない。

【こちらも】反抗期の子供、どうやって勉強させるか 気をつけたい言葉

 そんな中、いわゆる公立の学童ではなく、親の就業状況・利用日数などの制限がない「民間学童」を早々に選択する家庭が増えてきている。そして小学校入学後の生活を考え、入学前早々にこの「慣らし通学」を開始している家庭も多い。

 1日3時間×週5日間。3年間で計算すると、少なくとも2,000時間を優に超える放課後の時間を、今回は、「学びの場」と位置付けた「民間学童の選択」という観点で考える。

■学童保育(放課後児童クラブ)

 各自治体が運営している公立の学童保育(放課後児童クラブ)は、公立であるため費用はある程度の水準までに抑えられている。そしてここは文部科学省ではなく厚生労働省の管轄であり、指導員が保育時間内の学習を積極的に指導することは定められていない。

 もちろん各自治体によりその方針はさまざまであるため一概には言えないが、あくまでも放課後の子供達の居場所のひとつという位置付けというところが前提にある。つまり「学ぶための場」としての利用を、親が指導員に求めることは出来ない。

■民間学童

 施設学童は一般的には民間で運営されているため、利用日数は週2日~など自由度が高い。反面、公立学童に比べると費用は高めに設定されている。

 しかし中身を除いてみると、それは習い事に相等しい、個性豊かな「学びの機会」を提供している場所であることは、決して珍しいことではなくなった。

 入室、しつけ、おやつの時間から宿題のフォローまで全てがオールイングリッシュでの対応となる英語学童も、小学校の英語授業・教科化を背景に、ここ数年、新設・利用件数共に右肩上がりだ。インターナショナルプリスクールが増加し、その後の受け入れ先としてのアフタースクールの増加という意味合いもありそうだ。

 他にもユニーク且つバラエティに富んだ学童は多数あり、その付加価値はもはや習い事を超えている。この春から小学校で取り入れられるプログラミングを保育時間に導入している学童や、受験に向けて学習指導をする学童。食育、日本伝統文化、ミュージカルに特化した保育をする学童。

 ユニークなところでは、ビジネスのしくみを学ぶプログラム、農業体験、礼儀道徳規律などの社会軸を大切にした日常プログラムを取り入れる学童など、その選択肢は多岐に渡っている。

 さて、我が子が過ごす放課後の時間は、トータルで一体何時間になるだろうか。

 子供達への投資先としての「習い事」から、学童を超えた「新たな学びの場」として、今後、民間学童は子供達が過ごす放課後の、ひとつの選択肢となっていくかもしれない。(記事:板垣祥代・記事一覧を見る

関連記事

最新記事