殺人AIを規制すべきなのか? 実効性なし 中国、ロシアは規制を受け入れない
2020年1月15日 13:42
イランのカセム・ソレイマニ司令官暗殺にドローンが使われ、完全自律型致死兵器システム「LAWS(ローズ)」が現実のものとなってきた。人間の判断を経ずにAIが殺傷の判断をして攻撃するシステムだ。
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その規制が、2019年11月の国際会議で決まった。しかし実際に規制を無視する国は、軍事大国だ。中国、ロシア、その対抗上アメリカが条約として批准することはあるまい。
中国は、アメリカと覇権争いをすることを目指している。核兵器だけでなくサイバー空間や宇宙空間など、これまで旧ソビエトと条約を結んできたアメリカは自制してきた。しかし中国は、これまでの条約に参加しておらず、無制限にあらゆる兵器を開発している。
ロシアも実体としては条約を破棄しており、アメリカ・トランプ政権も条約を破棄している。また軍拡の時代に突入している。
その中で、AI兵器の開発が無制限に進んでいるのだが、巡航ミサイルとの区別も難しく、偵察ドローンも武器を搭載して暗殺に使われている。きわめて多数の小型ドローンが、互いの動きをコントロールしながら攻撃できる技術が、中国で開発されてきた。
「規制しても敵国に実効果はなく、自国の手足を縛るようなことになる」と警告する日本の軍事専門家もいれば、「無人の潜水艇による潜水艦の探知システムを構築されたら、SLBM搭載原子力潜水艦による核抑止力も無効となる」として、何らかの規制が必要であるとする専門家もいる。
これまでの核抑止力のシステムが無効となることは、核により戦争が回避されてきた現状のバランスが崩れ、かえって核戦争が起きやすくなる。AI兵器は、人間が戦場に出る必要がなくなるため危険が減り、通常兵器での戦争を起こしやすくなることは既に知られている。
中国は14億人の人口を抱え、民主主義国家のような個人データ収集への制限もなく、あらゆるビックデータを揃えることが出来るため、AIの教師データに困ることはない。5Gの覇権争いにおいて中国が世界のマーケットを抑えると、世界のデータを自由に集めることが出来、それを規制することは難しい。
望まなくとも、中国が世界の人々のデータをリアルタイムで掴むことさえ出来てしまうのだ。それはこれまでアメリカがしてきたことだが、独裁国家中国とは違い、民衆の監視システムが存在している。それがあまり有効でなくとも、中国の無制限とは意味が違っている。
これから中国が開発するAI兵器は、国家が民衆を統治できる仕組みを前提としていることを、日本国民もよく認識しておく必要がある。現在起こっている米中の覇権争いは、今後「人権無視」の世界観となって「民衆を支配し始める」と思い、警戒すべきだろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る)