ダイハツ・ロッキー&トヨタ・ライズ、タントと同じD-CVTをひっさげ登場 (2/2)

2019年11月10日 05:54

 ロッキーとライズはDNGAで統一されたプラットフォームのため、タントとは共通化が図られている。どうやって寸法の違いを吸収しているのか見てみたいものだ。

【前回は】ダイハツ・ロッキー&トヨタ・ライズ タントと同じD-CVTをひっさげ登場 (1/2)

 デザインや形状には変化をきたすことなく鉄板の厚みを変えたり、寸法の変化を一部部品の変更で吸収したり伸縮させたりなどいろいろ考えられるが、ダイハツはどのような方策を講じているのであろうか?サスペンションの詳細はまだ分からないが、トヨタ・カローラのサスペンションが良い出来なので、コストの制限が大きい小型車ではあるが期待したい。

 パワーユニットは「1KR-VET」型、ダウンサイジング直列3気筒DOHC 1.0リッターターボエンジン。最高出力72kW(98PS)/6000rpm、最大トルク140Nm(14.3kgfm)/2400-4000rpmを発生させる。燃費は、WLTCモード燃費18.6km/L、JC08モード燃費23.4km/Lで、1.5リッター以下の小型SUV(ガソリン車)では最も低燃費となる値を叩き出している。これには、ダイハツ・タントで採用された新設計の変速機D-CVTが大きな働きをしているものと見える。

 D-CVTは、ローギアを設けたアイシンAWの「ダイレクトシフトCVT」とは逆に、通常のCVTにオーバートップ側にトヨタが誇るプリウスなどと同じ遊星ギアを用いた「スプリット(分割)ギア」を加え、CVTと動力配分して中高速時にエンジン回転を抑えて、燃費をよくすることに成功している。

 また、CVTの反応の悪さを改善し、ギア比をワイドレンジ化して、「レシオカバレッジ(最低変速比から最高変速比までの幅)」を従来の5.3から7.3へと拡大。ギアでありながらCVTの良さをスポイルすることなく無段変速として、エンジンの理想の回転数により出来るだけ回せるようにしている。

 スーパーリーン(極希燃焼システム)のマツダ・スカイアクティブ-Xエンジンなどでも、ミッションとの取り合わせがうまくいかないと燃費は向上しないものだ。CVTを嫌う専門家が多いが、むしろ「ラバーフィール」などの欠点を克服して利用することが燃費向上策となる。D-CVTはこれからも期待できるアイディアと言えるだろう。

 ロッキーとライズの4WDは、トヨタe-Fourのような電動ではなく、電子制御のカップリング機能を持った機械式4WDである。これは重量のためか、コストのためか、或いは4WDの機能が働きだす性能のためなのか。モーター式4WDがなかなか普及しないが、2WDであっても安いコストで取り付けられる電動4WDの普及を期待したい。将来は、「インホイールモーター」の実用化が待たれる。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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