コインランドリー増加の現状と何故

2019年10月23日 12:28

 先に投稿したトランクルームもそうだが、隔世の感を覚える施設という点では「コインランドリー」などもその最たるものではないだろうか。

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 そもそもは1930年頃に英国で生まれたとされるが、その裾野を広げる契機となったのは55年に米国で、完全自動洗濯機が開発されたことに求められるという。日本でも70年代前半、高度経済成長期と歩みを合わせるように普及していった。

 いささかデータは古いが厚労省の調べでは、2013年の全国の施設数は1万6693店。03年に比べ3000店増えている。業界事情に詳しい筋は「その後も、年間3-500店舗の増加ペース」だという。

 1974年の創業以来、半世紀近くに亘りコインランドリー関連事業を展開している業者を知った。横浜市に拠点を構える、ダイワコーポレーション。当初は輸入物の設備機器販売が中心だったが、子会社を主体にコインランドリーのプロデュースに軸足を移し、成長階段を昇ってきた企業だ。

 2017年度の総売上高は約60億円。現状で自社店舗(ランドリーデポ)を全国47都道府県で230店舗余り運営している。そこで培ってきた運営ノウハウを基に、プロデュース事業を併営するという好循環を生み出している。

 自社店舗の運営管理は分かるが、プロデュース業とはどんな具合に展開しているのか。

 同社のホームページには、コインランドリー事業に乗り出しているオーナーが多々紹介されている。要するに立地・商圏の調査に始まり収支のシミュレーション、その上で「行ける」と判断すれば「店舗デザイン」「オペレーション」「アフターサービス」等を手掛けるのである。

 同社に通じた筋では「自社店舗の展開を始めた01年以降、採算が合わず退店したケースはゼロというのが何よりの強みでありプロデュース業の武器。10坪-15坪程度の狭小地でも採算が合うように、いわばソリューションを提供している。設備機材や光熱費負担を除いても3-40%の利回りが実現されているようだ。また機器の不具合など万が一に備えたコールセンター業務や清掃業務などを、ダイワの提携先を利用するとしても、相応の利回りが確保できる」とする。

 不動産活用策といえる。ところで昨今のコインランドリーとして興味深いのは、「廃れ行く」などと称される風呂屋(銭湯)が敷地内に設置し「シャワールーム」を併設するケースも珍しくないという。

 また敷地の大きなところではスペース内に「カフェ」「パン屋」などを設け、そうした店のスタッフが「洗濯代行(洗い・乾燥・たたみまで手掛ける)」業を行うコインランドリーも少なくないという。

 総人口の2割強を占めるにあたった70歳超の老人層の一人としては、「便利になりすぎるのもいかがなものか」とも思う。が、娘に言われた。「お父さん、共稼ぎのマンション組の大きな悩みの一つに遅い時間の洗濯がある。近所迷惑を考えてね。休日に大小の洗濯ものを容易にこなすには、コインランドリーは重宝なもの」。二の句が継げなかった。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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